ヒロはハワイ島の郡庁所在地であり、ハワイの中ではホノルルに次ぐ都市、と言われていますが、ハワイ島を訪れる方は、島の反対側のカイルア・コナの方が一般的かもしれません。ヒロが一番注目されるのは、間違いなくメリーモナーク・フェスティバルの時期でしょう。フラの祭典であるメリーモナーク・フェスティバルは、毎年イースターの翌週に開催されます。今年は、4月16日から22日までが開催期間です。きっと、コンペティションを見に行かれる方もいらっしゃるでしょうね。コンペティションを観戦する合間に、ヒロをホロホロ(ハワイ語でぶらぶら歩くこと)しながら、ハワイの歴史や伝説の舞台となった場所を探してみるのはいかがでしょう。

ヒロ、ダウンタウンの街並み
ヒロ、ダウンタウンの街並み

バニヤン・ドライブは、ホテルが立ち並ぶ、ヒロのリゾート地区。名前の通り、弧を描く通り沿いに、バニヤン樹が並んでいます。このバニヤン樹は、ルーズベルト大統領をはじめ、ベイブ・ルースなど、多くの有名人が植樹したものです。バニヤン樹は成長が早く巨大になるため、バニヤン・ドライブは密林のようになっています。このバニヤン・ドライブの西側にあるリリウオカラニ公園は、ヒロ市民の憩いの場。夕方、リリウオカラニ公園の辺りをぶらぶらしていると、ヒロ湾で釣りをしている人や、(ヒロは雨が多いので)傘を片手にウォーキングをしている人たちを、よく見かけます。海に突き出たモクオラ島、通称ココナッツ・アイランドで、ブートキャンプのようなエクササイズをしているグループを見かけたこともあります。

ココナッツ・アイランドで。ヒロ湾の向こうにダウンタウンが見える
ココナッツ・アイランドで。ヒロ湾の向こうにダウンタウンが見える

夕方のヒロ湾では、カヌーを練習するグループもよく見かけます。ポリネシアからカヌーで海を渡ってきた、と言われるハワイアンにとって、カヌー競技は特別なものでしょう。ココナッツ・アイランドから、ダウンタウンとマウナケア山を背景に、カヌーの練習をぼんやり見る夕暮れは、のんびしりたヒロの休日にぴったりです。ところで、ヒロにはカヌーとココナッツ・アイランドにまつわるこんな伝説があります。半神半人のマウイは、祖先の骨から作った魔法の釣り針を持っていました。マウイはカヌーに乗って海に出て、魔法の釣り針を海に下ろし、呪文を唱えます。すると、大きな手応えがあり、大波がカヌーを揺らしました。マウイは兄弟たちを呼び、いっしょに引き上げようとしましたが、兄弟の一人がどんな獲物か見ようと振り返ったため、あっという間に獲物は海に沈んでしまいました。その時、釣り針に残っていた、わずかにちぎれた残りが、ココナッツ・アイランドと言われています。

ヒロ湾でカヌーの練習。後ろに見える島がココナッツ・アイランド
ヒロ湾でカヌーの練習。後ろに見える島がココナッツ・アイランド

ヒロにはマウイに関係する伝説が他にもあります。以前にもご紹介しましたが、ヒロ湾に流れ込む、ワイルク川の河口にある大岩は、マウイが乗り捨てたカヌーだったそう。ヒロのマウイ伝説は古代ハワイの出来事ですが、ヒロには近世にも伝説のような話があります。マウナ・ロア山は20世紀中にも、何度も噴火を繰り返した火山ですが、1880年から1881年の噴火では、溶岩がヒロに流れ込む寸前となりました。当時、ハワイはカラカウア王が統治していましたが、外遊中でハワイにはいません。ヒロの人々は、カメハメハ大王の血をひく、ルース・ケエリコラニ王女を招きました。ケエリコラニ王女は、溶岩流に向かい、火山の女神ペレに長い祈りを捧げます。すると、溶岩流は止まりヒロは救われたのでした。この時に流れた溶岩は、現在ヒロ大学がある場所のすぐ近くまでも届いたそうです。

ワイルク川。手前の長い岩が、マウイが乗り捨てたカヌーと言われている
ワイルク川。手前の長い岩が、マウイが乗り捨てたカヌーと言われている

ヒロに降る雨は、カニ・レフアと呼ばれています。レフアに降る優しい霧雨、雨の多いヒロならではの言葉ですね。オヒアは木、レフアは花を指すオヒアレフアは、恋人同士だったオヒアとレフアが、ペレによって木にされてしまった、という有名な悲恋の伝説を持つ植物です。レフアの花を摘むと、オヒアと離れ離れにされてしまう、と嘆くレフアの涙が雨になる、とも言われています。ヒロではメリーモナークの時期になると、お庭にあるレフアを摘ませてください、とメリーモナークに参加するフラ・ハラウ(フラの学校)の生徒さんが来る事があると聞きます。コンペティションに使うレイなどのために、たくさんのレフアが必要なのですね。でも生徒さんたちは、木が傷まないよう、一度にたくさんの花を摘む事はないそうです。

ヒロにあるイミロア天文学センターの園庭で撮影したオヒアレフア
ヒロにあるイミロア天文学センターの園庭で撮影したオヒアレフア

ところが、数年前からハワイ島では、オヒアレフアに病気が発生し、次々と枯れてしまう事態になっています。ハワイ島から他の島のオヒアレフアに病気がうつる事を避けるため、昨年のメリーモナークでは、レフアのレイを使うのは自粛しましょう、という呼びかけもあったようです。ハワイ島のレイの花であり、ハワイ島の象徴のようなオヒアレフアが枯れてしまうのは、本当に辛いことでしょう。病原菌は靴などに付くこともあるようなので、気をつけたいですね。

カラカウア公園のカラカウア王像
カラカウア公園のカラカウア王像

メリーモナークとは、フラの復活に貢献したカラカウア王のことです。ヒロのダウンタウンにあるカラカウア公園には、カラカウア王の銅像があります。カラカウア王はタロの葉と、イプ(ハワイの打楽器)を持っています。レイ・デイ(毎年5月1日)には、カラカウア公園でイベントが行われるので、ゴールデンウィークにハワイ島へ行かれる方は、ぜひ覗いてみてください。

ヒロをホロホロしよう!・その3<ハワイ島>http://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2017/03/170316a-1024x680.jpghttp://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2017/03/170316a-150x150.jpgNOPUハワイ日和カラカウア公園,ダウンタウン,ハワイ島,ヒロ,リリウオカラニ公園ヒロはハワイ島の郡庁所在地であり、ハワイの中ではホノルルに次ぐ都市、と言われていますが、ハワイ島を訪れる方は、島の反対側のカイルア・コナの方が一般的かもしれません。ヒロが一番注目されるのは、間違いなくメリーモナーク・フェスティバルの時期でしょう。フラの祭典であるメリーモナーク・フェスティバルは、毎年イースターの翌週に開催されます。今年は、4月16日から22日までが開催期間です。きっと、コンペティションを見に行かれる方もいらっしゃるでしょうね。コンペティションを観戦する合間に、ヒロをホロホロ(ハワイ語でぶらぶら歩くこと)しながら、ハワイの歴史や伝説の舞台となった場所を探してみるのはいかがでしょう。 バニヤン・ドライブは、ホテルが立ち並ぶ、ヒロのリゾート地区。名前の通り、弧を描く通り沿いに、バニヤン樹が並んでいます。このバニヤン樹は、ルーズベルト大統領をはじめ、ベイブ・ルースなど、多くの有名人が植樹したものです。バニヤン樹は成長が早く巨大になるため、バニヤン・ドライブは密林のようになっています。このバニヤン・ドライブの西側にあるリリウオカラニ公園は、ヒロ市民の憩いの場。夕方、リリウオカラニ公園の辺りをぶらぶらしていると、ヒロ湾で釣りをしている人や、(ヒロは雨が多いので)傘を片手にウォーキングをしている人たちを、よく見かけます。海に突き出たモクオラ島、通称ココナッツ・アイランドで、ブートキャンプのようなエクササイズをしているグループを見かけたこともあります。 夕方のヒロ湾では、カヌーを練習するグループもよく見かけます。ポリネシアからカヌーで海を渡ってきた、と言われるハワイアンにとって、カヌー競技は特別なものでしょう。ココナッツ・アイランドから、ダウンタウンとマウナケア山を背景に、カヌーの練習をぼんやり見る夕暮れは、のんびしりたヒロの休日にぴったりです。ところで、ヒロにはカヌーとココナッツ・アイランドにまつわるこんな伝説があります。半神半人のマウイは、祖先の骨から作った魔法の釣り針を持っていました。マウイはカヌーに乗って海に出て、魔法の釣り針を海に下ろし、呪文を唱えます。すると、大きな手応えがあり、大波がカヌーを揺らしました。マウイは兄弟たちを呼び、いっしょに引き上げようとしましたが、兄弟の一人がどんな獲物か見ようと振り返ったため、あっという間に獲物は海に沈んでしまいました。その時、釣り針に残っていた、わずかにちぎれた残りが、ココナッツ・アイランドと言われています。 ヒロにはマウイに関係する伝説が他にもあります。以前にもご紹介しましたが、ヒロ湾に流れ込む、ワイルク川の河口にある大岩は、マウイが乗り捨てたカヌーだったそう。ヒロのマウイ伝説は古代ハワイの出来事ですが、ヒロには近世にも伝説のような話があります。マウナ・ロア山は20世紀中にも、何度も噴火を繰り返した火山ですが、1880年から1881年の噴火では、溶岩がヒロに流れ込む寸前となりました。当時、ハワイはカラカウア王が統治していましたが、外遊中でハワイにはいません。ヒロの人々は、カメハメハ大王の血をひく、ルース・ケエリコラニ王女を招きました。ケエリコラニ王女は、溶岩流に向かい、火山の女神ペレに長い祈りを捧げます。すると、溶岩流は止まりヒロは救われたのでした。この時に流れた溶岩は、現在ヒロ大学がある場所のすぐ近くまでも届いたそうです。 ヒロに降る雨は、カニ・レフアと呼ばれています。レフアに降る優しい霧雨、雨の多いヒロならではの言葉ですね。オヒアは木、レフアは花を指すオヒアレフアは、恋人同士だったオヒアとレフアが、ペレによって木にされてしまった、という有名な悲恋の伝説を持つ植物です。レフアの花を摘むと、オヒアと離れ離れにされてしまう、と嘆くレフアの涙が雨になる、とも言われています。ヒロではメリーモナークの時期になると、お庭にあるレフアを摘ませてください、とメリーモナークに参加するフラ・ハラウ(フラの学校)の生徒さんが来る事があると聞きます。コンペティションに使うレイなどのために、たくさんのレフアが必要なのですね。でも生徒さんたちは、木が傷まないよう、一度にたくさんの花を摘む事はないそうです。 ところが、数年前からハワイ島では、オヒアレフアに病気が発生し、次々と枯れてしまう事態になっています。ハワイ島から他の島のオヒアレフアに病気がうつる事を避けるため、昨年のメリーモナークでは、レフアのレイを使うのは自粛しましょう、という呼びかけもあったようです。ハワイ島のレイの花であり、ハワイ島の象徴のようなオヒアレフアが枯れてしまうのは、本当に辛いことでしょう。病原菌は靴などに付くこともあるようなので、気をつけたいですね。 メリーモナークとは、フラの復活に貢献したカラカウア王のことです。ヒロのダウンタウンにあるカラカウア公園には、カラカウア王の銅像があります。カラカウア王はタロの葉と、イプ(ハワイの打楽器)を持っています。レイ・デイ(毎年5月1日)には、カラカウア公園でイベントが行われるので、ゴールデンウィークにハワイ島へ行かれる方は、ぜひ覗いてみてください。ハワイの自然・文化・歴史、ライフスタイルを語る