キラウエア(Kīlauea)はマウナロアの東20kmほどにある火山で、現在も活発な活動をつづけています。標高は1,247mですが、噴火に伴い、いまも成長を続けています。マウナ・ロアの東麓に位置するため、かつては側方噴火とみられましたが、構造的に異なる独立の火山です。熔岩と噴煙を出し続けるハレマウマウを含むキラウエア・カルデラに加え、その東に125kmほど伸びるイーストリフトゾーンと、南西に35kmほど伸びるサウスウエストリフトゾーンの総称として用いられます。 キラウエア火山の山頂はあまり知られていませんが、ハレマウマウ・クレーターを見下ろす、火山観測所のすぐ裏手にあります。標識がなければ、そこが山頂とは気づかぬほど平坦な場所にあります。

キラウエア・カルデラ。正面の陥没口はハレマウマウ・クレーター、彼方で噴煙を上げるのはプウオーオー噴火口
キラウエア・カルデラ。正面の陥没口はハレマウマウ・クレーター、彼方で噴煙を上げるのはプウオーオー噴火口

基本的なおさらいをしておきましょう。ハワイ諸島は太平洋プレートという地殻に乗っており、年に数センチの速度で北西に移動を続けています。一方、現在、ハワイ島東部の地下数キロメートルのところにはマグマ溜まりがあり、数千万年前から地上に熔岩を送りつづけています。この熔岩はハワイ諸島だけでなく、古くは北西ハワイ諸島(パパハーナウモクアーケア)や天皇海山列を造り出しました。

ハワイ島東南部の住宅街で噴出する溶岩。 写真:USGS(米国地質調査所)
ハワイ島東南部の住宅街で噴出する溶岩。 写真:USGS(米国地質調査所)

ハワイ島では現在まで絶えることなく火山活動が続いており、観光地として知られるハワイ火山国立公園ではその姿を確認できます。先日(2018年5月)発生した大規模な噴火は想定外の場所で起きたわけではなく、起こるべきところで起きています。被害に遭われた方たちはお気の毒ですが、噴火のリスクが極めて高いところに住宅があるということです。このことについては住民の多くが了解した上で住んでいます。

カラパナ付近で海に流れ落ちる熔岩。火山ガスと水煙が噴き上がる
カラパナ付近で海に流れ落ちる熔岩。火山ガスと水煙が噴き上がる

キラウエア火山と、その東に連なる割れ目(イーストリフトゾーン)は、ここ数十年に限ってもしばしば熔岩や火山ガスを噴出しており、今回は少し規模の大きな噴火が起きたということです。活動は島の東端とその先の海底下でも起きています。現在、活動は鎮静化しつつありますが、上記に挙げた理由で、これからも活動は続きます。ハワイ島はまだ成長途上の島なのです。

ハワイ島においては、たいていの噴火は爆発的ではなく穏やかに起こります。噴泉から吹き出した溶岩は時間をかけて次第に盛り上がりますが、粘り気が少ないため、緩やかに裾野を広げながら堆積します。その形は、寝かせた盾に似ているため、盾状火山と呼ばれます。

プウオーオー噴火口。活動のピークは過ぎたと言われるが予断を許さない
プウオーオー噴火口。活動のピークは過ぎたと言われるが予断を許さない

キラウエアが最初に噴火した正確な時期は不明ですが、いまからおよそ30万年前から60万年前に海底に出現したとされます。それ以降、今日に至るまで長く沈黙した期間はほとんどなく、つねに噴火活動を続けてきました。地表面と、いくつかの試坑(ドリルで溶岩に穴をあけて行う、過去の溶岩流層の探索)を調査した結果によれば、キラウエア火山はそのほとんどが噴出した溶岩によって形成されています。その後、5万年前から10万年前の間に海上に姿を現しました。キラウエアの噴火活動は、その時代から今日に至るまで続いています。

山頂付近に広がるキラウエア・カルデラはよく知られていますが、このカルデラがキラウエアの誕生当初からあったものなのか、あるいはここ数千年の間に誕生したものなのかについては、地質学者の間でも意見が分かれます。いずれにしろ、カルデラは同じ場所にあり続けたわけではありませんし、大きさも一定ではありませんでした。出現したり消滅したりを繰り返しながら今日に至ります。

火山ガス。有毒な二酸化硫黄(上部)と水蒸気(下部)
火山ガス。有毒な二酸化硫黄(上部)と水蒸気(下部)

最初に書いたように、より活発な活動はイーストリフトゾーン沿いに起こっています。その範囲は、西端のプウオーオーから東端のクムカヒ岬に至りますが、噴火活動の中心は、少しずつ東へと移動しています。噴火による火山の出現は、島の東の沖合にまで続き、現在は海面下1000mのところにロイヒをはじめとする複数の海底火山となって成長を続けています。これらの海底火山も、やがて1万年から5万年の間に海上に姿を現し島を形成するでしょう。

キラウエア火山(1)http://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2018/05/special236.jpghttp://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2018/05/special236-150x150.jpg近藤純夫特集イーストリフトゾーン,キラウエア火山,チェーン・オブ・クレーターズ,ハレマウマウ,ハワイ島,ハワイ火山国立公園,プウオーオーキラウエア(Kīlauea)はマウナロアの東20kmほどにある火山で、現在も活発な活動をつづけています。標高は1,247mですが、噴火に伴い、いまも成長を続けています。マウナ・ロアの東麓に位置するため、かつては側方噴火とみられましたが、構造的に異なる独立の火山です。熔岩と噴煙を出し続けるハレマウマウを含むキラウエア・カルデラに加え、その東に125kmほど伸びるイーストリフトゾーンと、南西に35kmほど伸びるサウスウエストリフトゾーンの総称として用いられます。 キラウエア火山の山頂はあまり知られていませんが、ハレマウマウ・クレーターを見下ろす、火山観測所のすぐ裏手にあります。標識がなければ、そこが山頂とは気づかぬほど平坦な場所にあります。 基本的なおさらいをしておきましょう。ハワイ諸島は太平洋プレートという地殻に乗っており、年に数センチの速度で北西に移動を続けています。一方、現在、ハワイ島東部の地下数キロメートルのところにはマグマ溜まりがあり、数千万年前から地上に熔岩を送りつづけています。この熔岩はハワイ諸島だけでなく、古くは北西ハワイ諸島(パパハーナウモクアーケア)や天皇海山列を造り出しました。 ハワイ島では現在まで絶えることなく火山活動が続いており、観光地として知られるハワイ火山国立公園ではその姿を確認できます。先日(2018年5月)発生した大規模な噴火は想定外の場所で起きたわけではなく、起こるべきところで起きています。被害に遭われた方たちはお気の毒ですが、噴火のリスクが極めて高いところに住宅があるということです。このことについては住民の多くが了解した上で住んでいます。 キラウエア火山と、その東に連なる割れ目(イーストリフトゾーン)は、ここ数十年に限ってもしばしば熔岩や火山ガスを噴出しており、今回は少し規模の大きな噴火が起きたということです。活動は島の東端とその先の海底下でも起きています。現在、活動は鎮静化しつつありますが、上記に挙げた理由で、これからも活動は続きます。ハワイ島はまだ成長途上の島なのです。 ハワイ島においては、たいていの噴火は爆発的ではなく穏やかに起こります。噴泉から吹き出した溶岩は時間をかけて次第に盛り上がりますが、粘り気が少ないため、緩やかに裾野を広げながら堆積します。その形は、寝かせた盾に似ているため、盾状火山と呼ばれます。 キラウエアが最初に噴火した正確な時期は不明ですが、いまからおよそ30万年前から60万年前に海底に出現したとされます。それ以降、今日に至るまで長く沈黙した期間はほとんどなく、つねに噴火活動を続けてきました。地表面と、いくつかの試坑(ドリルで溶岩に穴をあけて行う、過去の溶岩流層の探索)を調査した結果によれば、キラウエア火山はそのほとんどが噴出した溶岩によって形成されています。その後、5万年前から10万年前の間に海上に姿を現しました。キラウエアの噴火活動は、その時代から今日に至るまで続いています。 山頂付近に広がるキラウエア・カルデラはよく知られていますが、このカルデラがキラウエアの誕生当初からあったものなのか、あるいはここ数千年の間に誕生したものなのかについては、地質学者の間でも意見が分かれます。いずれにしろ、カルデラは同じ場所にあり続けたわけではありませんし、大きさも一定ではありませんでした。出現したり消滅したりを繰り返しながら今日に至ります。 最初に書いたように、より活発な活動はイーストリフトゾーン沿いに起こっています。その範囲は、西端のプウオーオーから東端のクムカヒ岬に至りますが、噴火活動の中心は、少しずつ東へと移動しています。噴火による火山の出現は、島の東の沖合にまで続き、現在は海面下1000mのところにロイヒをはじめとする複数の海底火山となって成長を続けています。これらの海底火山も、やがて1万年から5万年の間に海上に姿を現し島を形成するでしょう。ハワイの自然・文化・歴史、ライフスタイルを語る