火山活動が続くハワイ島では、最近特に活発な状況になっているようです。昨年には、ハワイ島の東部にあるプナ地区へと溶岩が流れ出し、住民が避難する事態になりました。もう少しのところで、プナ地区の重要な交通手段であるハイウェイを溶岩が寸断する所だったのです。ハイウェイの寸前で溶岩の流れは止まり、幸いにも大きな災害にはなりませんでしたが、プナ地区に住む方々は大変な思いをされた事でしょう。ハワイ島の火山を操る女神ペレは気紛れで、人々に厄災をもたらした後で、ちょっと悪かったな、と思ったりもするようです。今度は先月、ボルケーノ国立公園内にあるハレマウマウ・クレーターの活動が活発になり、人々は歓喜しました。

ハレマウマウ・クレーターを見物する人々
ハレマウマウ・クレーターを見物する人々

ハレマウマウは国立公園内にある大きなクレーターです。国立公園の一番の見所でもあり、クレーターを見渡す事ができる展望台には、いつも多くの観光客が訪れています。以前は、このハレマウマウを含むキラウエア・カルデラの周囲を車でまわったり、カルデラ内をトレッキングすることができました。しかし、2008年に火山爆発があり、ハレマウマウが噴煙を上げるようになってからは、キラウエア・カルデラを周回する道路の南側が通行止めになり、ハレマウマウに近いトレイルは立ち入り禁止になっています。それでも、噴煙を上げるハレマウマウは美しく、夜間には火口が赤く輝いて見え、以前にもましてハレマウマウは人気の観光スポットでした。

2008年に爆発が起きた後、噴煙を上げていたハレマウマウ
2008年に爆発が起きた後、噴煙を上げていたハレマウマウ

そのハレマウマウが爆発を起こして、火口から溶岩が噴出したのは、4月末のことです。国立公園内のジャガーミュージアムで、その時の映像を見ましたが、爆発した直後、火口に流れ出ていた溶岩が大きく波打っている様子が見え、とても迫力がありました。見学していた人は、さぞ驚いたでしょう。幸運なことに、私は5月の初めにハワイ島を訪れることができました。ハワイ島の知人は「いいタイミングに来たね」と言ってくれましたが、本当にそう思います。ハワイ島で出会った、ニューヨークから来たというご夫婦は「ヒロに滞在している間に、何回も火山を見に行っちゃったよ」と仰っていましたが、私も5回もハレマウマウを見に行ってしまいました。

火口から溶岩を噴出しているハレマウマウ
火口から溶岩を噴出しているハレマウマウ

国立公園へ行ってみると、ハレマウマウ・クレーターを見下ろすジャガーミュージアムの前は、いつもより多くの人が集まっていました。普段はこの展望台では殆んど見かけない、地元の方もたくさん来ていらっしゃるようです。みなさん少し興奮気味に火口を眺めています。ジャガーミュージアムと火口は2km弱ほど離れているのですが、肉眼でも溶岩がボコボコ噴出しているところが見えます。かなり迫力のある光景です。展望台に立てられた望遠鏡を覗くと、真っ赤な溶岩が跳ね上がっている、更に迫力のある光景が目に飛び込んできました。クレーター内の溶岩湖は昼間に見ると、黒々としていて、溶岩の様子はよくわかりません。そこで、夜にまたハレマウマウを見に行くことにしました。

早朝にも関わらず、たくさんの人が集まる展望台
早朝にも関わらず、たくさんの人が集まる展望台

さて、以前から夜のハレマウマウを見に来る人はかなり多く、ツアーも催行されています。しかし、爆発が起きた4月末からは、夜間に大勢の見物人が訪れてジャガーミュージアムの駐車場は、常に満車状態という話です。そこで、早朝ならどうだろう、と朝4時に国立公園に入場しました。国立公園の入り口には「ジャガーミュージアム駐車場は満車」との表示が出ていましたが、どうやら昨夜から出したままだったらしく、駐車場は(暗くてよく分かりませんが)まだまだ空いているよう。しかし、真っ暗な駐車場から展望台の方へと歩いて行くと、朝の4時という時間にも関わらず、既に2、30人の見物人が来ていました。この辺りは標高が高く、夜間はかなり寒い場所です。みんなハワイとは思えないような厚着で、中には毛布をかぶっている人もいます。

夜間に見る、ハレマウマウから噴出する溶岩
夜間に見る、ハレマウマウから噴出する溶岩

夜は、昼間よりもかなりはっきり溶岩が見えました。溶岩湖に走る亀裂からは、赤い溶岩が覗き、時折それが盛り上がってきます。溶岩の噴出も昼間よりも活発になっているようです。夢中で見ているうちに、別の場所からも溶岩が噴出してきました。「ゴー、ペレ!」となりでカメラを構えていた女性がつぶやきましたが、私もペレ、ガンバレ!と思いながら火口をみつめます。霧雨が降ってきましたが、帰る人はほとんど居らず、むしろ時間が経つにつれ、見物人が増えてきました。辺りは次第に明るくなり、気がつけば私は2時間以上も溶岩を眺めてしまいました。その後、ハレマウマウは再び爆発した後、溶岩は火口からやや下がってしまいました。溶岩が噴出する方向が、展望台からは見えにくくなったため、駐車場脇に仮設の展望エリアが作られていましたが、ボルケーノ国立公園の素早い対応は、とてもいいなと思います。

火口内の数箇所から溶岩が噴出しだしたところ
火口内の数箇所から溶岩が噴出しだしたところ

ハレマウマウを含め、ハワイ島の火山の状況は、刻々と変化するので、今後どうなるかは分かりません。全ては、気まぐれなペレの心次第、というわけです。ハレマウマウが活発化すると、プナ地区にまた溶岩が流れ出すかもしれない、という話も聞きます。ハワイ島へ行かれる方は、USGS(アメリカ地質調査所)などのホームページを参考に、現地の情報に注意されることをお薦めします。ハレマウマウで溶岩が見られるといいですね。

夜のハレマウマウと月
夜のハレマウマウと月
ハワイ日和:ハレマウマウを見よう!・その2<ハワイ島>https://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2015/10/150521a.jpghttps://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2015/10/150521a-150x150.jpgNOPUハワイ日和キラウエア,ハレマウマウ,ハワイ島,ハワイ火山国立公園火山活動が続くハワイ島では、最近特に活発な状況になっているようです。昨年には、ハワイ島の東部にあるプナ地区へと溶岩が流れ出し、住民が避難する事態になりました。もう少しのところで、プナ地区の重要な交通手段であるハイウェイを溶岩が寸断する所だったのです。ハイウェイの寸前で溶岩の流れは止まり、幸いにも大きな災害にはなりませんでしたが、プナ地区に住む方々は大変な思いをされた事でしょう。ハワイ島の火山を操る女神ペレは気紛れで、人々に厄災をもたらした後で、ちょっと悪かったな、と思ったりもするようです。今度は先月、ボルケーノ国立公園内にあるハレマウマウ・クレーターの活動が活発になり、人々は歓喜しました。 ハレマウマウは国立公園内にある大きなクレーターです。国立公園の一番の見所でもあり、クレーターを見渡す事ができる展望台には、いつも多くの観光客が訪れています。以前は、このハレマウマウを含むキラウエア・カルデラの周囲を車でまわったり、カルデラ内をトレッキングすることができました。しかし、2008年に火山爆発があり、ハレマウマウが噴煙を上げるようになってからは、キラウエア・カルデラを周回する道路の南側が通行止めになり、ハレマウマウに近いトレイルは立ち入り禁止になっています。それでも、噴煙を上げるハレマウマウは美しく、夜間には火口が赤く輝いて見え、以前にもましてハレマウマウは人気の観光スポットでした。 そのハレマウマウが爆発を起こして、火口から溶岩が噴出したのは、4月末のことです。国立公園内のジャガーミュージアムで、その時の映像を見ましたが、爆発した直後、火口に流れ出ていた溶岩が大きく波打っている様子が見え、とても迫力がありました。見学していた人は、さぞ驚いたでしょう。幸運なことに、私は5月の初めにハワイ島を訪れることができました。ハワイ島の知人は「いいタイミングに来たね」と言ってくれましたが、本当にそう思います。ハワイ島で出会った、ニューヨークから来たというご夫婦は「ヒロに滞在している間に、何回も火山を見に行っちゃったよ」と仰っていましたが、私も5回もハレマウマウを見に行ってしまいました。 国立公園へ行ってみると、ハレマウマウ・クレーターを見下ろすジャガーミュージアムの前は、いつもより多くの人が集まっていました。普段はこの展望台では殆んど見かけない、地元の方もたくさん来ていらっしゃるようです。みなさん少し興奮気味に火口を眺めています。ジャガーミュージアムと火口は2km弱ほど離れているのですが、肉眼でも溶岩がボコボコ噴出しているところが見えます。かなり迫力のある光景です。展望台に立てられた望遠鏡を覗くと、真っ赤な溶岩が跳ね上がっている、更に迫力のある光景が目に飛び込んできました。クレーター内の溶岩湖は昼間に見ると、黒々としていて、溶岩の様子はよくわかりません。そこで、夜にまたハレマウマウを見に行くことにしました。 さて、以前から夜のハレマウマウを見に来る人はかなり多く、ツアーも催行されています。しかし、爆発が起きた4月末からは、夜間に大勢の見物人が訪れてジャガーミュージアムの駐車場は、常に満車状態という話です。そこで、早朝ならどうだろう、と朝4時に国立公園に入場しました。国立公園の入り口には「ジャガーミュージアム駐車場は満車」との表示が出ていましたが、どうやら昨夜から出したままだったらしく、駐車場は(暗くてよく分かりませんが)まだまだ空いているよう。しかし、真っ暗な駐車場から展望台の方へと歩いて行くと、朝の4時という時間にも関わらず、既に2、30人の見物人が来ていました。この辺りは標高が高く、夜間はかなり寒い場所です。みんなハワイとは思えないような厚着で、中には毛布をかぶっている人もいます。 夜は、昼間よりもかなりはっきり溶岩が見えました。溶岩湖に走る亀裂からは、赤い溶岩が覗き、時折それが盛り上がってきます。溶岩の噴出も昼間よりも活発になっているようです。夢中で見ているうちに、別の場所からも溶岩が噴出してきました。「ゴー、ペレ!」となりでカメラを構えていた女性がつぶやきましたが、私もペレ、ガンバレ!と思いながら火口をみつめます。霧雨が降ってきましたが、帰る人はほとんど居らず、むしろ時間が経つにつれ、見物人が増えてきました。辺りは次第に明るくなり、気がつけば私は2時間以上も溶岩を眺めてしまいました。その後、ハレマウマウは再び爆発した後、溶岩は火口からやや下がってしまいました。溶岩が噴出する方向が、展望台からは見えにくくなったため、駐車場脇に仮設の展望エリアが作られていましたが、ボルケーノ国立公園の素早い対応は、とてもいいなと思います。 ハレマウマウを含め、ハワイ島の火山の状況は、刻々と変化するので、今後どうなるかは分かりません。全ては、気まぐれなペレの心次第、というわけです。ハレマウマウが活発化すると、プナ地区にまた溶岩が流れ出すかもしれない、という話も聞きます。ハワイ島へ行かれる方は、USGS(アメリカ地質調査所)などのホームページを参考に、現地の情報に注意されることをお薦めします。ハレマウマウで溶岩が見られるといいですね。ハワイの自然・文化・歴史、ライフスタイルを語る