近年、カウ・コーヒーの人気が高まっていますが、ハワイを代表するコーヒーは、やはりコナ・コーヒー。何しろコナ・コーヒーは、ブルーマウンテン、キリマンジャロと並んで世界三大コーヒーの一つですから。今月のハワイ日和は、そのコナ・コーヒー農家が集まる小さな町、ホルアロアをご紹介します。

ホルアロアの中心地は、フアラライ山の中腹辺り。カイルア・コナから東へ山を登って、車で15分くらいの場所にあります。観光客で賑わうカイルア・コナからほど近いにも関わらず、ホルアロアは時間が止まったように感じる静かな町です。でも20世紀の初め頃は、カイルア・コナよりもホルアロアは賑やかな場所だった、と言われています。ホルアロアはハワイに移住た日系人にも、深い縁のある場所です。ハワイで初めて、日本語の学校ができたのもホルアロアでした。日本語学校は、太平洋戦争によって閉鎖されてしまいましたが、ホルアロアには日系人が建てた建物が、今もたくさん残っています。

アート、コーヒー、史跡の町、ホルアロア
アート、コーヒー、史跡の町、ホルアロア

19世紀末にコーヒーの価格が暴落すると、多くの農園主たちは耕作地を放棄しました。その農地を引き継いだのが、日系一世です。日系一世のコーヒー農園は小規模でしたが、品質の高いコーヒー豆を生産したことによって、コナ・コーヒーの評判がったのです。ホルアロアはコナ・コーヒー農園が連なるコナ・コーヒー・ベルトの北端に位置します。日本企業が持つコーヒー農園や、歴史のある日系人のコーヒー農園など、様々なコーヒー農園があるので、コーヒー豆を買いに農園巡りをするのにもいい場所です。ホルアロアの中心地から北へ南へ、180号線に沿ってコーヒー農園は点在しています。

180号線沿いのコーヒー農園
180号線沿いのコーヒー農園

さて、ホルアロアのメイン・ストリートは、180号線に沿った600mくらい。坂道になっているので、ゆっくり歩いてしまいますが、それでも端から端までホロホロ(ハワイ語でお散歩)しても10分ほどです。通り沿いには、古い建物利用したアート・ギャラリーが多く、ひなびた家々にアートが展示されているのは、ちょっと不思議な感じがします。きっと高価に違いないアートに気後れして、いつもお店を外から眺めるだけなのですが、プランテーション時代の小さな家が、こうして使われて保存されているのは、古い建物好きには嬉しい場所です。

ホルアロアを散策
ホルアロアを散策

というわけで、ホルアロアでは、もっぱら建物を眺めて嬉しくなっています。道に面したポーチ、ボコボコしたトタン屋根、微妙なパステル・カラーの板壁、深い緑の森を背後に並ぶ家々を、のんびり見て行きましょう。正面に小さな扉がたくさん並んでいる家は、旧ホルアロア郵便局です。小さな扉は、私書箱だったのですね。今は、ウクレレのギャラリーになっています。

旧ホルアロア郵便局。正面に並んでいるのが私書箱だった扉
旧ホルアロア郵便局。正面に並んでいるのが私書箱だった扉

町の中心にあるポールズ・プレイスは、ゼネラル・ストア。ゼネラル・ストアは、簡単に言うと、個人営業の小さなスーパー・マーケットです。でもゼネラル・ストアには、スーパー・マーケットとは違う、独特の雰囲気があります。ハワイのゼネラル・ストアは、日系人が創業した店が多く、ハワイ島を代表するスーパー・マーケット、KTAも日系人創業のゼネラル・ストアが発祥です。所有者が何度か変わっていますが、ポールズ・プレイスも、日系人のタニモトさんが、初代のオーナーだったそう。近年、ハワイにあるゼネラル・ストアの閉店や買収のニュースを耳にしますが、ハワイ島はゼネラル・ストアが、まだ多く残っている島ではないかな、と思います。

ホルアロアのゼネラル・ストア、ポールズ・プレイス
ホルアロアのゼネラル・ストア、ポールズ・プレイス

水色に塗られたちょっと大きな建物は、ホルアロア・シアターです。かつて映画館だった建物を探すのも、ハワイ旅行の楽しみの一つにしているのですが、ハワイには小さな町にも、必ずと言っていいほど、映画館(だった建物)があります。ホルアロア・シアターは、ポールズ・プレイスの初代オーナーだったタニモトさんによって、1929年に建てられました。ノース・コナで初めてトーキー設備を導入した、人気の映画館だったようです。ホルアロア・シアターは、現在は映画は上映していませんが、テイクアウトのメキシコ料理店が、大きな建物の小さな窓から営業中。地域のコミュニティ活動の会場としても使われているそうです。

人気の映画館だった、ホルアロア・シアター
人気の映画館だった、ホルアロア・シアター

ホルアロアでひときわ目を引く、ビビッドなピンクの外観を持つコナ・ホテルは、日系一世のイナバさんによって1926年に建てられました。現在は、コナの歴史建物保存会から、歴史的な建築物の指定もされています。コナ・ホテルが建てられた頃、ホルアロアはハワイ島の要所であり、ビジネスや観光で移動する人々が集う場所になっていました。コナ・ホテルは、そんな人々が宿泊するホテルとして、食事や配車のサービスも行なっていたそうです。100年近い歴史を持つホテルですが、今も現役。客室からは、海を見渡す絶景が楽しめるそうです。日本映画「ぼくのおじさん」の舞台にもなっていました。

ホルアロアのランド・マーク的存在、コナ・ホテル
ホルアロアのランド・マーク的存在、コナ・ホテル

ホルアロアの中心から1kmほど南、カイルア・コナへ降りるフアラライ・ロードとの分岐点にあるのは、キムラ・ラウハラ・ショップ。ラウハラは、「パンダナス(タコノキ)の葉」というハワイ語です。ハワイアンは昔からラウハラを使った、マットなどを作っていましたが、キムラ・ラウハラ・ショップでは、更に手の込んだラウハラ製品を販売しています。籠や帽子は、手作りならではの繊細な作りです。たくさん買ってばらまくお土産ではなく、自分用に大事に使う物を探すお店ですね。私も以前に購入したテーブル・センターを、今でも大切に使っています。

ホルアロアの外れにある、キムラ・ラウハラ・ショップ
ホルアロアの外れにある、キムラ・ラウハラ・ショップ

ホルアロアの町には、100年以上前に日系移民がコーヒー農園の礎を築いた頃の面影が、今も残っているような気がします。どこかなつかしいホルアロアを、散策しに行きましょう。

小さな町へ行こう!・ホルアロア<ハワイ島>https://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2020/02/hawaiibiyori257.jpghttps://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2020/02/hawaiibiyori257-150x150.jpgNOPUハワイ日和アートギャラリー,カイルア・コナ,コナコーヒー,ゼネラルストア,ハワイ島,ホルアロア,ホルアロア・シアター,ポールズ・プレイス,史跡近年、カウ・コーヒーの人気が高まっていますが、ハワイを代表するコーヒーは、やはりコナ・コーヒー。何しろコナ・コーヒーは、ブルーマウンテン、キリマンジャロと並んで世界三大コーヒーの一つですから。今月のハワイ日和は、そのコナ・コーヒー農家が集まる小さな町、ホルアロアをご紹介します。 ホルアロアの中心地は、フアラライ山の中腹辺り。カイルア・コナから東へ山を登って、車で15分くらいの場所にあります。観光客で賑わうカイルア・コナからほど近いにも関わらず、ホルアロアは時間が止まったように感じる静かな町です。でも20世紀の初め頃は、カイルア・コナよりもホルアロアは賑やかな場所だった、と言われています。ホルアロアはハワイに移住した日系人にも、深い縁のある場所です。ハワイで初めて、日本語の学校ができたのもホルアロアでした。日本語学校は、太平洋戦争によって閉鎖されてしまいましたが、ホルアロアには日系人が建てた建物が、今もたくさん残っています。 19世紀末にコーヒーの価格が暴落すると、多くの農園主たちは耕作地を放棄しました。その農地を引き継いだのが、日系一世です。日系一世のコーヒー農園は小規模でしたが、品質の高いコーヒー豆を生産したことによって、コナ・コーヒーの評判が上がったのです。ホルアロアはコナ・コーヒー農園が連なる、コナ・コーヒー・ベルトの北端に位置します。日本企業が持つコーヒー農園や、歴史のある日系人のコーヒー農園など、様々なコーヒー農園があるので、コーヒー豆を買いに農園巡りをするのにもいい場所です。ホルアロアの中心地から北へ南へ、180号線に沿ってコーヒー農園は点在しています。 さて、ホルアロアのメイン・ストリートは、180号線に沿った600mくらい。坂道になっているので、ゆっくり歩いてしまいますが、それでも端から端までホロホロ(ハワイ語でお散歩)しても10分ほどです。通り沿いには、古い建物を利用したアート・ギャラリーが多く、ひなびた家々にアートが展示されているのは、ちょっと不思議な感じがします。きっと高価に違いないアートに気後れして、いつもお店を外から眺めるだけなのですが、プランテーション時代の小さな家が、こうして使われて保存されているのは、古い建物好きには嬉しい場所です。 というわけで、ホルアロアでは、もっぱら建物を眺めて嬉しくなっています。道に面したポーチ、ボコボコしたトタン屋根、微妙なパステル・カラーの板壁、深い緑の森を背後に並ぶ家々を、のんびり見て行きましょう。正面に小さな扉がたくさん並んでいる家は、旧ホルアロア郵便局です。小さな扉は、私書箱だったのですね。今は、ウクレレのギャラリーになっています。 町の中心にあるポールズ・プレイスは、ゼネラル・ストア。ゼネラル・ストアは、簡単に言うと、個人営業の小さなスーパー・マーケットです。でもゼネラル・ストアには、スーパー・マーケットとは違う、独特の雰囲気があります。ハワイのゼネラル・ストアは、日系人が創業した店が多く、ハワイ島を代表するスーパー・マーケット、KTAも日系人創業のゼネラル・ストアが発祥です。所有者が何度か変わっていますが、ポールズ・プレイスも、日系人のタニモトさんが、初代のオーナーだったそう。近年、ハワイにあるゼネラル・ストアの閉店や買収のニュースを耳にしますが、ハワイ島はゼネラル・ストアが、まだ多く残っている島ではないかな、と思います。 水色に塗られたちょっと大きな建物は、ホルアロア・シアターです。かつて映画館だった建物を探すのも、ハワイ旅行の楽しみの一つにしているのですが、ハワイには小さな町にも、必ずと言っていいほど、映画館(だった建物)があります。ホルアロア・シアターは、ポールズ・プレイスの初代オーナーだったタニモトさんによって、1929年に建てられました。ノース・コナで初めてトーキー設備を導入した、人気の映画館だったようです。ホルアロア・シアターは、現在は映画は上映していませんが、テイクアウトのメキシコ料理店が、大きな建物の小さな窓から営業中。地域のコミュニティ活動の会場としても、使われているそうです。 ホルアロアでひときわ目を引く、ビビッドなピンクの外観を持つコナ・ホテルは、日系一世のイナバさんによって1926年に建てられました。現在は、コナの歴史建物保存会から、歴史的な建築物の指定もされています。コナ・ホテルが建てられた頃、ホルアロアはハワイ島の要所であり、ビジネスや観光で移動する人々が集う場所になっていました。コナ・ホテルは、そんな人々が宿泊するホテルとして、食事や配車のサービスも行なっていたそうです。100年近い歴史を持つホテルですが、今も現役。客室からは、海を見渡す絶景が楽しめるそうです。日本映画「ぼくのおじさん」の舞台にもなっていました。 ホルアロアの中心から1kmほど南、カイルア・コナへ降りるフアラライ・ロードとの分岐点にあるのは、キムラ・ラウハラ・ショップ。ラウハラは、「パンダナス(タコノキ)の葉」というハワイ語です。ハワイアンは昔からラウハラを使った、マットなどを作っていましたが、キムラ・ラウハラ・ショップでは、更に手の込んだラウハラ製品を販売しています。籠や帽子は、手作りならではの繊細な作りです。たくさん買ってばらまくお土産ではなく、自分用に大事に使う物を探すお店ですね。私も以前に購入したテーブル・センターを、今でも大切に使っています。 ホルアロアの町には、100年以上前に日系移民がコーヒー農園の礎を築いた頃の面影が、今も残っているような気がします。どこかなつかしいホルアロアを、散策しに行きましょう。ハワイの自然・文化・歴史、ライフスタイルを語る