ハワイではバードウォッチや植物観察を楽しみにしています。ところで、ハワイ固有の鳥や植物は、開発などの環境の変化や、外来種の増加などによりその数を減らしています。トレッキングやシュノーケルなどで山や海へ人間が入るだけでも、生態系にダメージを与えてしまうこともあるそうです。例えば、トレッキングをしている人間に付いて外来植物の種が運ばれたり、身体につけたクリームやオイルなどが潮溜まりを汚したりするからですね。ハワイの自然保護区の中には、人が入ることを禁止している場所もあります。でも、立ち入り禁止の自然保護区でも、ツアーに参加すれば入れる場所もあります。

ハレアカラ国立公園のレンジャーさんがガイドをしてくれます
ハレアカラ国立公園のレンジャーさんがガイドをしてくれます

マウイ島ハレアカラ山の中腹にあるワイカモイ自然保護区は、自然保護団体ネイチャー・コンサーバンシーに保護、管理されていて、ハイカーの立ち入りは制限されています。そのワイカモイ自然保護区に入れるツアーが、ハレアカラ国立公園によって開催されているのですが、電話で事前予約をしなくてはいけない、などちょっと面倒くさかったので「行きたいなあ、どうしようかなあ」と、躊躇(実際はぐずぐず)しているうちにマウイに来てしまいました。さて、バードウォッチは同好の士との情報交換が重要です。ハワイでも「バードウォッチャーだな」というのは、お互いにすぐに分かるもので「どんな鳥を見ましたか?」と話しかけたり、かけられたりすることがよくあります。私がワイカモイ自然保護区のツアーに参加できたのは、そんなバードウォッチャー同士の情報交換のおかげでした。ドイツから来たバードウォッチャーが「自然保護区のツアーなら、ハレアカラのビジターセンターでも受け付けてくれるよ」と、教えてくれたからです。

フェンスを越えてワイカモイ自然保護区へ
フェンスを越えてワイカモイ自然保護区へ

ありがとう! ドイツのバードウォッチャー! というわけで、無事にビジターセンターで受付を済ませ、いよいよワイカモイ自然保護区のツアーです。実は、このツアーのリピーターになってしまい、私は2回参加しています。2回とも参加人数は10人ほど、ハレアカラ国立公園のレンジャーがガイドをしてくれました。参加者がなんとなく集まってくると、ガイドツアーがはじまります。2回とも始めに簡単な自己紹介をしあったのですが、本土からの観光客に加え、フランス、ドイツ、カナダ(それに私たち日本)からの参加者もいて、国際色豊かな感じです。まずは靴の汚れをブラシで落とし、フェンスの向こうの保護区へ出発します。

保護区の深い森をツアーは進みます
保護区の深い森をツアーは進みます

ツアーはワイカモイ自然保護区のバード・ループ・トレイルと呼ばれる周回路を歩きます。谷を挟む急勾配がある、3時間くらいのコースですが、それほど難コースではありません。普通のスニーカーでも大丈夫なくらいです。このツアーに参加する人たちは、バードウォッチャーが多いようで、ガイドを聞きながらも周囲に目を配っています。「鳥だ!」と誰かが叫ぶと、みんな一斉に同じ方向を向いて、足を止めるちょっと変わった一団です。足元を横切る影に頭上を仰ぐと、フクロウが飛んでいました。いっしょに空を見ていたカナダ人の男性と、顔を見合わせてにっこり。たくさん鳥を見ることができました。

頭上を横切るフクロウ
頭上を横切るフクロウ

「ちょっと目をつぶってみて」と、ガイド氏。「何種類くらいの鳥の声が聞こえる?」みんな10とか12とか答えたのですが、実際は4,5種類だったそう。鳥たちはいくつもの鳴き声のパターンを持っていて、縄張りを主張したり、警戒したり、ヒナを呼んだり、とそれぞれで違うパターンで鳴くのでたくさんの種類がいるように聞こえるのですね。「鳥を見つけるには、まず花を探すといいね。ハワイのミツスイは、花から花へと飛び回っているんだよ」とガイド氏が言うと「ぼくの人生のようだ」とメインランドから来た若い男性。みんな笑ったのですが、彼の奥さんだけは、ちょっと真顔で彼のことをぶっていました。

花から花へと飛び回るアパパネ
花から花へと飛び回るアパパネ

ワイカモイ自然保護区では鳥だけではなく、多くのハワイ固有種の植物も見ることができます。まだ若木のコアが豆のような葉と細長い葉の両方を付けているところや、プキアヴェやクカイネネが実を付けているところをガイド氏に教えてもらいました。ここでは絶滅が危惧される植物を育ててもいるそうです。ハワイでは野生化したヤギやブタによる食害も深刻で、フェンスを張って植物を保護しているそうですが、なかなか難しいよう。ガイド氏の「外来種も自然の一部なのだから、駆除するべきではない、と言う人もいるけれど、人間が運んでしまったものは、人間の手で始末しないといけないのではないか」という言葉が心に残っています。

丸い葉と長い葉が混在するコア
丸い葉と長い葉が混在するコア

個人できままにハイキングをするのも楽しいのですが、ガイドツアーはいつもより多くのものが見たり、考えたりできるように思いました。ワイカモイ自然保護区のツアーは、開催していない期間もあるようなので、ハレアカラ・ビジターセンターに問い合わせたほうがいいと思います。ツアーの参加人数には上限があるようで、要予約です。

小さな実をつけたプキアヴェ
小さな実をつけたプキアヴェ
ハワイ日和:自然観察ツアーに参加しよう!<マウイ島>https://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2015/10/150219e.jpghttps://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2015/10/150219e-150x150.jpgNOPUハワイ日和ハレアカラ,バードウォッチング,マウイ島,ワイカモイ自然保護区ハワイではバードウォッチや植物観察を楽しみにしています。ところで、ハワイ固有の鳥や植物は、開発などの環境の変化や、外来種の増加などによりその数を減らしています。トレッキングやシュノーケルなどで山や海へ人間が入るだけでも、生態系にダメージを与えてしまうこともあるそうです。例えば、トレッキングをしている人間に付いて外来植物の種が運ばれたり、身体につけたクリームやオイルなどが潮溜まりを汚したりするからですね。ハワイの自然保護区の中には、人が入ることを禁止している場所もあります。でも、立ち入り禁止の自然保護区でも、ツアーに参加すれば入れる場所もあります。 マウイ島ハレアカラ山の中腹にあるワイカモイ自然保護区は、自然保護団体ネイチャー・コンサーバンシーに保護、管理されていて、ハイカーの立ち入りは制限されています。そのワイカモイ自然保護区に入れるツアーが、ハレアカラ国立公園によって開催されているのですが、電話で事前予約をしなくてはいけない、などちょっと面倒くさかったので「行きたいなあ、どうしようかなあ」と、躊躇(実際はぐずぐず)しているうちにマウイに来てしまいました。さて、バードウォッチは同好の士との情報交換が重要です。ハワイでも「バードウォッチャーだな」というのは、お互いにすぐに分かるもので「どんな鳥を見ましたか?」と話しかけたり、かけられたりすることがよくあります。私がワイカモイ自然保護区のツアーに参加できたのは、そんなバードウォッチャー同士の情報交換のおかげでした。ドイツから来たバードウォッチャーが「自然保護区のツアーなら、ハレアカラのビジターセンターでも受け付けてくれるよ」と、教えてくれたからです。 ありがとう! ドイツのバードウォッチャー! というわけで、無事にビジターセンターで受付を済ませ、いよいよワイカモイ自然保護区のツアーです。実は、このツアーのリピーターになってしまい、私は2回参加しています。2回とも参加人数は10人ほど、ハレアカラ国立公園のレンジャーがガイドをしてくれました。参加者がなんとなく集まってくると、ガイドツアーがはじまります。2回とも始めに簡単な自己紹介をしあったのですが、本土からの観光客に加え、フランス、ドイツ、カナダ(それに私たち日本)からの参加者もいて、国際色豊かな感じです。まずは靴の汚れをブラシで落とし、フェンスの向こうの保護区へ出発します。 ツアーはワイカモイ自然保護区のバード・ループ・トレイルと呼ばれる周回路を歩きます。谷を挟む急勾配がある、3時間くらいのコースですが、それほど難コースではありません。普通のスニーカーでも大丈夫なくらいです。このツアーに参加する人たちは、バードウォッチャーが多いようで、ガイドを聞きながらも周囲に目を配っています。「鳥だ!」と誰かが叫ぶと、みんな一斉に同じ方向を向いて、足を止めるちょっと変わった一団です。足元を横切る影に頭上を仰ぐと、フクロウが飛んでいました。いっしょに空を見ていたカナダ人の男性と、顔を見合わせてにっこり。たくさん鳥を見ることができました。 「ちょっと目をつぶってみて」と、ガイド氏。「何種類くらいの鳥の声が聞こえる?」みんな10とか12とか答えたのですが、実際は4,5種類だったそう。鳥たちはいくつもの鳴き声のパターンを持っていて、縄張りを主張したり、警戒したり、ヒナを呼んだり、とそれぞれで違うパターンで鳴くのでたくさんの種類がいるように聞こえるのですね。「鳥を見つけるには、まず花を探すといいね。ハワイのミツスイは、花から花へと飛び回っているんだよ」とガイド氏が言うと「ぼくの人生のようだ」とメインランドから来た若い男性。みんな笑ったのですが、彼の奥さんだけは、ちょっと真顔で彼のことをぶっていました。 ワイカモイ自然保護区では鳥だけではなく、多くのハワイ固有種の植物も見ることができます。まだ若木のコアが豆のような葉と細長い葉の両方を付けているところや、プキアヴェやクカイネネが実を付けているところをガイド氏に教えてもらいました。ここでは絶滅が危惧される植物を育ててもいるそうです。ハワイでは野生化したヤギやブタによる食害も深刻で、フェンスを張って植物を保護しているそうですが、なかなか難しいよう。ガイド氏の「外来種も自然の一部なのだから、駆除するべきではない、と言う人もいるけれど、人間が運んでしまったものは、人間の手で始末しないといけないのではないか」という言葉が心に残っています。 個人できままにハイキングをするのも楽しいのですが、ガイドツアーはいつもより多くのものが見たり、考えたりできるように思いました。ワイカモイ自然保護区のツアーは、開催していない期間もあるようなので、ハレアカラ・ビジターセンターに問い合わせたほうがいいと思います。ツアーの参加人数には上限があるようで、要予約です。ハワイの自然・文化・歴史、ライフスタイルを語る