酷暑の夏も終わり、秋の気配が漂い始めました。ハワイ日和では、秋にハワイの食べ物を紹介して来ましたが、夏の終わりのメランコリックな気分に乗じて、今回は食にまつわる、もう無くなってしまった物の思い出です。ご紹介するお店をご存知の方は、ご一緒にセンチメンタルな気分に浸って下さい。ご存知でない方は、「こんな店があったのか!」と、行く夏と共に、惜しんで下さいませ。

POIPU BAY CLUB HOUSE

カウアイ島、ポイプ地区にあるポイプ・ベイ・ゴルフ・コースのクラブ・ハウスの食事がおいしい、と聞いたのは、今から7、8年ほど前のことでした。ポイプ・ベイ・ゴルフ・コースはPGAグランドスラムの開催地だったこともある、名門ゴルフコースです。ゴルフをしない私は、てっきりプレイする方しか、クラブ・ハウスは使えないと思っていましたが、食事だけでもOKとのこと。それでは、と朝ごはんにはちょっと遅めの時間に、行ってみました。瀟洒な建物の中にあるクラブ・ハウスのレストランの、豪華な雰囲気に気後れしまくりでしたが、スタッフのみなさんに、とても親切に案内して頂きました。

ポイプ・ベイ・クラブ・ハウス
ポイプ・ベイ・クラブ・ハウス

今でも「おいしかったなあ!」と思い出すのが、このクラブ・ハウスのパンケーキ。私にとって、現在もハワイのベスト・パンケーキです。トッピングだけでなく、1枚目はパイナップル(のコンポート)、2枚目はブルーベリー、3枚目はバナナと、それぞれのフルーツをパンケーキ生地に混ぜ込んだ、3枚重ねの豪華パンケーキは、1枚ずつ違う味を楽しめるだけではなく、添えられたバター、リコッタチーズ、メープルシロップで、更に様々な味を楽しむことができました。もちろんパンケーキは、表面がカリカリ、中がフワフワの最高の焼き上がり。あまりのおいしさに、数日後、また食べに行ってしまったほどです。親切でフレンドリーなウエイター氏に「今まで食べた中で、最高のパンケーキ!」と絶賛すると、「私たちのシェフの自慢の品ですから」と、笑顔で仰っていたことを思い出します。

とてもおいしかったフルーツ入りパンケーキ
とてもおいしかったフルーツ入りパンケーキ

ポイプ・ベイ・ゴルフ・コースのクラブ・ハウスは現在も営業していますが、コンセプトやメニュー内容が全く変わってしまい、パンケーキはもう食べることができません。ゴルフコースを眺めながら、おいしいパンケーキを味合う、贅沢なひと時でした。

MAUI BAKE SHOP & DELI

州庁所在地でもあるワイルクは、マウイ島の中ではローカル色の強い町です。かつてそのワイルクに、マウイ島で一番、と言われたベーカリーがありました。マウイ・ベイク・ショップ&デリは、カフェも併設された、おいしいパン屋さん。フランス人のシェフが焼くパンはもちろん、ケーキやクッキーもおいしいベーカリーでした。早朝からオープンしているので、ハイキングの時など、よくお弁当用のパンを買いに行ったものです。パンの販売を担当しているマダムは、いつもとても親切で「今日はどこに行くの?」などと、声をかけてくれました。「ハレアカラで食べるお弁当に」と、キッシュを買うと、フォークを添えた紙皿にラップをかけて「運転に気をつけてね」と、渡してもらった事もあります。

マウイ島ワイルクにあったマウイ・ベイク・ショップ&デリ
マウイ島ワイルクにあったマウイ・ベイク・ショップ&デリ

私が特に好きだったのは、チョコレートがけのプレッツェル。デニッシュ生地にチョコレートとアーモンドがかかったプレッツェルは、おやつにぴったりでした。さっくりした甘すぎないクッキーも、おいしかったです。いつもテイク・アウトだったので「次回は絶対カフェを利用しよう」と、楽しみにしていたのですが、シェフが急逝され、閉店してしまいました。地域の方々は、さぞかし残念だったでしょう。いつも朝一番に、お店に並んでいたおじいさんは、どうしただろう。優しいマダムは、どうしているだろう。と、ワイルクに行くといつも思います。

マウイ・ベイク・ショップ&デリのキッシュ
マウイ・ベイク・ショップ&デリのキッシュ

RESTAURANT KAIKODO

ハワイ州第2の都市と知られるハワイ島ヒロは、第1の都市であるホノルルに比べると、ずっと小さな町です。オシャレなレストランやショップも、だいぶ増えてきたように思いますが、それでもひなびたノスタルジックな印象を受けるでしょう。さて、レストランの出店動向を見ていると、ヒロに住む人たちは、熱しやすく冷めやすいのでは、と思います。新しくオープンしたレストランが、大盛況なので「すごく混んでいるから、次に来た時に行こう」などと思っていたら、翌年にはもう閉店、という事が、結構あるのです。以前、ご紹介したレストランの中にも「あんなに、はやっていたのに!」というお店があります。ヒロでは、人気のレストランに行くのに、ためらいは禁物かも。

カイコドー・ビルディングの外観。写真は閉店後のもの
カイコドー・ビルディングの外観。写真は閉店後のもの

それはともかく。ダウンタウンにあるビショップ・トラスト・ビルディングは、100年以上の歴史がある美しい建物です。現在は、カイコドー・ビルディングという名前でも知られていますが、この名前の元になったのが、レストラン・カイコドー(懐古堂)です。レストラン・カイコドーは、アジア美術の研究家でもあり、コレクターでもあった当時のオーナーによって、贅を尽くした内装と家具で飾られた、美しいレストランでした。何しろ家具や装飾品は、本物のアンティークなので、美術館で食事をしているよう。実際、オーナーは当初、建物を美術館として使うつもりだったようです。シノワズリな雰囲気のダイニングとは別に、スシ・バーもあるオシャレなレストランでした。予約必須の盛況ぶりだったのですが、数年で閉店。その後、何度か店舗が入れ替わっていますが、現在は別のレストランが営業しています。今でも、カイコドー・ビルディングは、美しい建物ですが、あの頃のカイコドーは、やはり別格でした。

カイコドーの後に営業していたレストラン。アンティーク家具などはなくなっていますが、面影が残っています
カイコドーの後に営業していたレストラン。アンティーク家具などはなくなっていますが、面影が残っています
https://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2021/09/hawaiibiyori276.jpghttps://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2021/09/hawaiibiyori276-150x150.jpgNOPUハワイ日和カウアイ島,ハワイ,ハワイ島,パンケーキ,ヒロ,ポイプベイゴルフコース・クラブハウス,マウイ・ベイク・ショップ&デリ,マウイ島,レストラン・カイコドー,ワイルク酷暑の夏も終わり、秋の気配が漂い始めました。ハワイ日和では、秋にハワイの食べ物を紹介して来ましたが、夏の終わりのメランコリックな気分に乗じて、今回は食にまつわる、もう無くなってしまった物の思い出です。ご紹介するお店をご存知の方は、ご一緒にセンチメンタルな気分に浸って下さい。ご存知でない方は、「こんな店があったのか!」と、行く夏と共に、惜しんで下さいませ。 POIPU BAY CLUB HOUSE カウアイ島、ポイプ地区にあるポイプ・ベイ・ゴルフ・コースのクラブ・ハウスの食事がおいしい、と聞いたのは、今から7、8年ほど前のことでした。ポイプ・ベイ・ゴルフ・コースはPGAグランドスラムの開催地だったこともある、名門ゴルフコースです。ゴルフをしない私は、てっきりプレイする方しか、クラブ・ハウスは使えないと思っていましたが、食事だけでもOKとのこと。それでは、と朝ごはんにはちょっと遅めの時間に、行ってみました。瀟洒な建物の中にあるクラブ・ハウスのレストランの、豪華な雰囲気に気後れしまくりでしたが、スタッフのみなさんに、とても親切に案内して頂きました。 今でも「おいしかったなあ!」と思い出すのが、このクラブ・ハウスのパンケーキ。私にとって、現在もハワイのベスト・パンケーキです。トッピングだけでなく、1枚目はパイナップル(のコンポート)、2枚目はブルーベリー、3枚目はバナナと、それぞれのフルーツをパンケーキ生地に混ぜ込んだ、3枚重ねの豪華パンケーキは、1枚ずつ違う味を楽しめるだけではなく、添えられたバター、リコッタチーズ、メープルシロップで、更に様々な味を楽しむことができました。もちろんパンケーキは、表面がカリカリ、中がフワフワの最高の焼き上がり。あまりのおいしさに、数日後、また食べに行ってしまったほどです。親切でフレンドリーなウエイター氏に「今まで食べた中で、最高のパンケーキ!」と絶賛すると、「私たちのシェフの自慢の品ですから」と、笑顔で仰っていたことを思い出します。 ポイプ・ベイ・ゴルフ・コースのクラブ・ハウスは現在も営業していますが、コンセプトやメニュー内容が全く変わってしまい、パンケーキはもう食べることができません。ゴルフコースを眺めながら、おいしいパンケーキを味合う、贅沢なひと時でした。 MAUI BAKE SHOP & DELI 州庁所在地でもあるワイルクは、マウイ島の中ではローカル色の強い町です。かつてそのワイルクに、マウイ島で一番、と言われたベーカリーがありました。マウイ・ベイク・ショップ&デリは、カフェも併設された、おいしいパン屋さん。フランス人のシェフが焼くパンはもちろん、ケーキやクッキーもおいしいベーカリーでした。早朝からオープンしているので、ハイキングの時など、よくお弁当用のパンを買いに行ったものです。パンの販売を担当しているマダムは、いつもとても親切で「今日はどこに行くの?」などと、声をかけてくれました。「ハレアカラで食べるお弁当に」と、キッシュを買うと、フォークを添えた紙皿にラップをかけて「運転に気をつけてね」と、渡してもらった事もあります。 私が特に好きだったのは、チョコレートがけのプレッツェル。デニッシュ生地にチョコレートとアーモンドがかかったプレッツェルは、おやつにぴったりでした。さっくりした甘すぎないクッキーも、おいしかったです。いつもテイク・アウトだったので「次回は絶対カフェを利用しよう」と、楽しみにしていたのですが、シェフが急逝され、閉店してしまいました。地域の方々は、さぞかし残念だったでしょう。いつも朝一番に、お店に並んでいたおじいさんは、どうしただろう。優しいマダムは、どうしているだろう。と、ワイルクに行くといつも思います。 RESTAURANT KAIKODO ハワイ州第2の都市と知られるハワイ島ヒロは、第1の都市であるホノルルに比べると、ずっと小さな町です。オシャレなレストランやショップも、だいぶ増えてきたように思いますが、それでもひなびたノスタルジックな印象を受けるでしょう。さて、レストランの出店動向を見ていると、ヒロに住む人たちは、熱しやすく冷めやすいのでは、と思います。新しくオープンしたレストランが、大盛況なので「すごく混んでいるから、次に来た時に行こう」などと思っていたら、翌年にはもう閉店、という事が、結構あるのです。以前、ご紹介したレストランの中にも「あんなに、はやっていたのに!」というお店があります。ヒロでは、人気のレストランに行くのに、ためらいは禁物かも。 それはともかく。ダウンタウンにあるビショップ・トラスト・ビルディングは、100年以上の歴史がある美しい建物です。現在は、カイコドー・ビルディングという名前でも知られていますが、この名前の元になったのが、レストラン・カイコドー(懐古堂)です。レストラン・カイコドーは、アジア美術の研究家でもあり、コレクターでもあった当時のオーナーによって、贅を尽くした内装と家具で飾られた、美しいレストランでした。何しろ家具や装飾品は、本物のアンティークなので、美術館で食事をしているよう。実際、オーナーは当初、建物を美術館として使うつもりだったようです。シノワズリな雰囲気のダイニングとは別に、スシ・バーもあるオシャレなレストランでした。予約必須の盛況ぶりだったのですが、数年で閉店。その後、何度か店舗が入れ替わっていますが、現在は別のレストランが営業しています。今でも、カイコドー・ビルディングは、美しい建物ですが、あの頃のカイコドーは、やはり別格でした。ハワイの自然・文化・歴史、ライフスタイルを語る