ハワイ島のキラウエア火山で、大規模な火山活動が起きたのは、2018年の5月のことです。火山活動の中心は、ボルケーノ国立公園から東へと移動し、いくつもの噴火口が住宅地に現れました。現在も新しい噴火口の周辺は、立ち入りが禁止、もしくは制限されています。この火山活動により、ボルケーノ国立公園も大きな被害を受けました。長い閉鎖期間を経て、ボルケーノ国立公園に入園できるようになったのは、昨年9月です。今、ボルケーノ国立公園はどうなっているのでしょう。

ボルケーノ国立公園の入り口
ボルケーノ国立公園の入り口

現在(2019年2月)、ボルケーノ国立公園は限定的に公開されています(注)。火山活動やそれに伴う地震で、破損が大きい場所や施設があるためです。例えば、ジャガー・ミュージアムと併設する展望台は、無期限の閉鎖になっています。これは、ハレマウマウ・クレーターが大きく崩落したので、クレーターの縁にあるジャガー・ミュージアムの地盤が危険と判断されたからです。ジャガー・ミュージアムの展望台からは、ハレマウマウ・クレーターを一望することができ、ボルケーノ観光のハイライトともいえるスポットでした。特にここ数年は、夜間にクレーターの底で赤く輝く溶岩が大人気で、夜間や早朝でもたくさんの人が訪れていましたが、そのハレマウマウ・クレーターも、以前とは大きく姿を変えています。

以前のハレマウマウ・クレーター。早朝から多くの人が集まっていました
以前のハレマウマウ・クレーター。早朝から多くの人が集まっていました

ジャガー・ミュージアムが閉鎖された今では、ハレマウマウ・クレーターを眺めるのによい場所の一つは、キラウエア・ビジターセンターから1kmほどの場所にあるスチーム・ベント付近です。草原に水蒸気があがる噴気孔があるだけ、だったスチーム・ベントは、今や観光の目玉ポイントになりました。スチーム・ベントの駐車場から歩いてすぐの、スチーミング・ブラフと呼ばれる展望台から、ハレマウマウ火口を見ることができるからです。スチーミング・ブラフは、名前の通り蒸気が出ている崖。朝夕の気温が低い時などは、崖の縁からもうもうと水蒸気があがっています。ここから、キラウエア・カルデラ全体を見渡すことができますが、ハレマウマウ・クレーターは右手の少し遠くです。蒸気でカルデラが見えにくい時は、カルデラに沿って歩いてみましょう。

水蒸気があがるスチーム・ベント付近のクレーター・リム・トレイル
水蒸気があがるスチーム・ベント付近のクレーター・リム・トレイル

キラウエア・カルデラを一周するトレイル、クレーター・リム・トレイルは、現在その大部分が閉鎖されていますが、ボルケーノ・ハウスからキラウエア・ミリタリー・キャンプまでの1キロ半ほどは歩くことができます。スチーミング・ブラフの崖があるのは、この公開されている区間のちょうど中間くらいです。崖を正面に見て、右へとトレイルを進んで行くと、やがて森の中へと入ります。森の木々に隠れて、なかなかカルデラは見えませんが、所々に木の間からカルデラを見下ろせる場所があるので、のんびり歩きましょう。さて、ハレマウマウ・クレーターですが、やはり火山活動前よりも大きくなっているのが分かります。以前はスチーミング・ブラフからも、ハレマウマウ・クレーターの底にある溶岩湖が、夜間に赤く火映となっている様子を見ることができましたが、今では赤い溶岩は全く見ることはできません。

クレーター・リム・トレイルから眺める、ハレマウマウ・クレーター
クレーター・リム・トレイルから眺める、ハレマウマウ・クレーター

ハレマウマウ火口は、昨年5月に起きた火山活動とその後の大爆発によって、火口が大きく陥没しました。以前は、丸いお盆のように見えたクレーターでしたが、現在は深くV字にえぐれた大きな穴のようになっているようです。「ようです」と、いうのは爆発後のハレマウマウ・クレーターは、深さ480m以上にもなったため、地表からではその全貌は、なかなか見えないからです。爆発前はだいたい85mくらいの深さだったそうですから、かなり沈んだことになります。爆発後も、クレーターの縁が崩れ続けたため、ハレマウマウ・クレーターは直径も倍に広がったそうです。空撮したハレマウマウ・クレーターの画像を見ると、漏斗状にクレーターが崩れ落ちていて、巨大な蟻地獄のようにも見えます。もう一つのハレマウマウ・クレーターのビュー・ポイント、ケアナカコイ展望台付近から見ると、もう少し近くでクレーターを見ることができましたが、この話はまたの機会に。

ケアナカコイ展望台付近から眺めた、ハレマウマウ・クレーター。ちょっと底が見えます
ケアナカコイ展望台付近から眺めた、ハレマウマウ・クレーター。ちょっと底が見えます

今は、ボルケーノ国立公園で人気のあったキラウエア・イキへ下りるトレイルや、サーストン・ラバ・チューブを巡るトレイルなども閉鎖中です。サーストン・ラバ・チューブは、地震の影響を調査中らしいので、再開を期待したいですね。また、国立公園のゲートの外にあるマウナ・ロア・ロードも、自動車での通行ができなくなっています。これは、火山活動の影響ではなく、マウナ・ロア・ロード沿いの森に火災の危険があるためだそうです。マウナ・ロア・ロード周辺は、ハワイ固有の植物や鳥が多く見られる貴重な場所ですが、昨年、大きな火災があって、森がたくさん焼けてしまいました。マウナ・ロア・ロードを歩くと、火事で燃えた森が続く場所があり、白く燃え残った木々が痛々しく見えました。

火事で木々が燃えた、マウナ・ロア・ロード沿いの森
火事で木々が燃えた、マウナ・ロア・ロード沿いの森

とはいえ、ボルケーノ国立公園はやはり魅力のある場所です。私は丁度、政府閉鎖の時期に訪問したのですが、ビジターセンターは公開されていて、レンジャーやボランティアの方々に親切に案内をして頂きました。火山活動が収束した今後は、公開される施設が増えていく事を楽しみにしています。

(注)公開されているトレイルや施設の情報は、ボルケーノ国立公園のホームページでご確認下さい。
https://www.nps.gov/havo/closed_areas.htm

ボルケーノに行こう!・その2<ハワイ島>https://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2019/02/hawaibiyori245.jpghttps://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2019/02/hawaibiyori245-150x150.jpgNOPUハワイ日和キラウエア,ハレマウマウ,ハワイ,ハワイ火山国立公園,ビジターセンター,ボルケーノ国立公園ハワイ島のキラウエア火山で、大規模な火山活動が起きたのは、2018年の5月のことです。火山活動の中心は、ボルケーノ国立公園から東へと移動し、いくつもの噴火口が住宅地に現れました。現在も新しい噴火口の周辺は、立ち入りが禁止、もしくは制限されています。この火山活動により、ボルケーノ国立公園も大きな被害を受けました。長い閉鎖期間を経て、ボルケーノ国立公園に入園できるようになったのは、昨年9月です。今、ボルケーノ国立公園はどうなっているのでしょう。 現在(2019年2月)、ボルケーノ国立公園は限定的に公開されています(注)。火山活動やそれに伴う地震で、破損が大きい場所や施設があるためです。例えば、ジャガー・ミュージアムと併設する展望台は、無期限の閉鎖になっています。これは、ハレマウマウ・クレーターが大きく崩落したので、クレーターの縁にあるジャガー・ミュージアムの地盤が危険と判断されたからです。ジャガー・ミュージアムの展望台からは、ハレマウマウ・クレーターを一望することができ、ボルケーノ観光のハイライトともいえるスポットでした。特にここ数年は、夜間にクレーターの底で赤く輝く溶岩が大人気で、夜間や早朝でもたくさんの人が訪れていましたが、そのハレマウマウ・クレーターも、以前とは大きく姿を変えています。 ジャガー・ミュージアムが閉鎖された今では、ハレマウマウ・クレーターを眺めるのによい場所の一つは、キラウエア・ビジターセンターから1kmほどの場所にあるスチーム・ベント付近です。草原に水蒸気があがる噴気孔があるだけ、だったスチーム・ベントは、今や観光の目玉ポイントになりました。スチーム・ベントの駐車場から歩いてすぐの、スチーミング・ブラフと呼ばれる展望台から、ハレマウマウ火口を見ることができるからです。スチーミング・ブラフは、名前の通り蒸気が出ている崖。朝夕の気温が低い時などは、崖の縁からもうもうと水蒸気があがっています。ここから、キラウエア・カルデラ全体を見渡すことができますが、ハレマウマウ・クレーターは右手の少し遠くです。蒸気でカルデラが見えにくい時は、カルデラに沿って歩いてみましょう。 キラウエア・カルデラを一周するトレイル、クレーター・リム・トレイルは、現在その大部分が閉鎖されていますが、ボルケーノ・ハウスからキラウエア・ミリタリー・キャンプまでの1キロ半ほどは歩くことができます。スチーミング・ブラフの崖があるのは、この公開されている区間のちょうど中間くらいです。崖を正面に見て、右へとトレイルを進んで行くと、やがて森の中へと入ります。森の木々に隠れて、なかなかカルデラは見えませんが、所々に木の間からカルデラを見下ろせる場所があるので、のんびり歩きましょう。さて、ハレマウマウ・クレーターですが、やはり火山活動前よりも大きくなっているのが分かります。以前はスチーミング・ブラフからも、ハレマウマウ・クレーターの底にある溶岩湖が、夜間に赤く火映となっている様子を見ることができましたが、今では赤い溶岩は全く見ることはできません。 ハレマウマウ火口は、昨年5月に起きた火山活動とその後の大爆発によって、火口が大きく陥没しました。以前は、丸いお盆のように見えたクレーターでしたが、現在は深くV字にえぐれた大きな穴のようになっているようです。「ようです」と、いうのは爆発後のハレマウマウ・クレーターは、深さ480m以上にもなったため、地表からではその全貌は、なかなか見えないからです。爆発前はだいたい85mくらいの深さだったそうですから、かなり沈んだことになります。爆発後も、クレーターの縁が崩れ続けたため、ハレマウマウ・クレーターは直径も倍に広がったそうです。空撮したハレマウマウ・クレーターの画像を見ると、漏斗状にクレーターが崩れ落ちていて、巨大な蟻地獄のようにも見えます。もう一つのハレマウマウ・クレーターのビュー・ポイント、ケアナカコイ展望台付近から見ると、もう少し近くでクレーターを見ることができましたが、この話はまたの機会に。 今は、ボルケーノ国立公園で人気のあったキラウエア・イキへ下りるトレイルや、サーストン・ラバ・チューブを巡るトレイルなども閉鎖中です。サーストン・ラバ・チューブは、地震の影響を調査中らしいので、再開を期待したいですね。また、国立公園のゲートの外にあるマウナ・ロア・ロードも、自動車での通行ができなくなっています。これは、火山活動の影響ではなく、マウナ・ロア・ロード沿いの森に火災の危険があるためだそうです。マウナ・ロア・ロード周辺は、ハワイ固有の植物や鳥が多く見られる貴重な場所ですが、昨年、大きな火災があって、森がたくさん焼けてしまいました。マウナ・ロア・ロードを歩くと、火事で燃えた森が続く場所があり、白く燃え残った木々が痛々しく見えました。 とはいえ、ボルケーノ国立公園はやはり魅力のある場所です。私は丁度、政府閉鎖の時期に訪問したのですが、ビジターセンターは公開されていて、レンジャーやボランティアの方々に親切に案内をして頂きました。火山活動が収束した今後は、公開される施設が増えていく事を楽しみにしています。 (注)公開されているトレイルや施設の情報は、ボルケーノ国立公園のホームページでご確認下さい。 https://www.nps.gov/havo/closed_areas.htmハワイの自然・文化・歴史、ライフスタイルを語る