ブーゲンビレアほど、さまざまな色合いがある花はないでしょう。ハワイでは各島で道路脇の植栽としてよく見られます。

庭木として植えられることも多い
庭木として植えられることも多い

花の特徴と由来

ブーゲンビレアは、赤、オレンジ、ピンク、白、紫と、実に色とりどりです。しかし花のように見える部分は苞(ほう)であり花弁ではありません。ここでいきなり雑学ですが、花は植物進化のかなり後半で花を獲得しました。それまでは、たとえばシダ植物のように、葉はあっても花を付けなかったのです。では何が花となったかと言うと、葉です。葉が植物の生長における役割を分担化し、花弁と萼(がく)、苞に分かれました。一般に花に見える鮮やかな部分は必ずしも花弁というわけではなく、花弁か萼、苞のいずれかであるか、あるいはそのうちの2つが花の役割を果たします。

紫色の部分は苞、白い円形部分は萼の変化したもの、その中心にわずかに見えるのがシベ
紫色の部分は苞、白い円形部分は萼の変化したもの、その中心にわずかに見えるのがシベ

ブーゲンビレアでは苞のなかに納まるシベのような白い小花が本来の花です。ただしこれも正確には花弁ではなく、萼の変化したものです。雄シベや雌シベはこの萼(正しくは萼筒と言います)の、さらに内側から顔を出しています。ブーゲンビレアの苞はほとんど水分を含まず、紙のような質感なので、ペーパーフラワーとも呼ばれます。そのおかげで長期間、色褪せることなく美しい花色を楽しめます。ハワイ諸島のような温暖な土地では周年で咲きます。

ブーゲンビレアはつる性の植物で6m以上に伸びます。写真のように放置しておくと利用した木を包み込むほどになります。葉にはトゲがあるため、家の垣根として使われることもあります。

花の名前は、探検家として知られるフランス人のルイ・A・ブーガンビルがブラジルのリオ・デ・ジャネイロで発見したことに由来します。ハワイに持ち込まれたのは1827年のこと。アレクシス・バシェロ神父がホノルルに到着した際に持ち込みました。このとき神父はハワイへの移住を拒まれました。先着していたプロテスタント派の牧師たちが、カトリックの影響力増大を嫌がったためです。バシェロ神父は4年後にハワイを離れるまでハワイ島で説教を行いました。

ホンコンオーキッドツリーに絡みついたブーゲンビレア
ホンコンオーキッドツリーに絡みついたブーゲンビレア

ハワイに持ち込まれたブーゲンビレアはイカダカズラ(Bougainvillea glabra)という原種ですが、当初はそれほど注目されませんでした。その後20世紀初頭に、このイカダカズラと近縁の品種を交配して作られた新品種がハワイ諸島各地へ広まり、今日に至ります。

園芸品種が主流となったのには理由があります。ブーゲンビレアはきわめて繁殖力が強く、放置しておくとまたたく間に拡散してしまいます。そのため、種子を作りにくい園芸品種に改良して、繁殖をコントロールしています。

ひとつの株からさまざまな色合いの花をつけることもある
ひとつの株からさまざまな色合いの花をつけることもある

植物知識

ハワイ名:Pukanawila, pua kepalō, pua pepa(Ni‘ihau)
学名:Bougainvillea spectabilis, B.glabra, B. peruviana
オシロイバナ科ブーゲンビレア属(イタカズラ属)
英名:Paper flower, Bougainvillea
和名:イカダカズラ、テリハイカダカズラ、ペルーイカダカズラ、ブーゲンビレア
原産地:ブラジル
特徴:つる性の低木(※自立できますがつるの特徴を兼ね備えます。)花のサイズは0.5~0.7cm。苞のサイズは3~5cmです。熱帯と亜熱帯地方に広く分布し、ハワイでは1年を通じて開花します。色の種類は多岐に渡ります。ハワイでは諸島に広く分布し、陽射しが強く、暑く乾燥した土地で育ちます。湿度が高すぎると開花しません。ハワイに導入されたのは1827年のグラブラ種が最初で、オレンジ色と紫色の苞を持ちます。このうち、紫色のものはサンダラナと呼ばれます。1910年に野生品種をかけ合わせた園芸品種が導入され、今日に至ります。八重咲きもあります。ブーゲンビレアはフィリピンなどの国歌であり、カリフォルニア州の州花としても知られます。

枝からは鋭いトゲが生じる
枝からは鋭いトゲが生じる

 

https://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2021/03/special270.jpghttps://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2021/03/special270-150x150.jpg近藤純夫特集イタヤカズラ,ブーガンビル,ブーゲンビリア,ブーゲンビレア,ペーパーフラワーブーゲンビレアほど、さまざまな色合いがある花はないでしょう。ハワイでは各島で道路脇の植栽としてよく見られます。 花の特徴と由来 ブーゲンビレアは、赤、オレンジ、ピンク、白、紫と、実に色とりどりです。しかし花のように見える部分は苞(ほう)であり花弁ではありません。ここでいきなり雑学ですが、花は植物進化のかなり後半で花を獲得しました。それまでは、たとえばシダ植物のように、葉はあっても花を付けなかったのです。では何が花となったかと言うと、葉です。葉が植物の生長における役割を分担化し、花弁と萼(がく)、苞に分かれました。一般に花に見える鮮やかな部分は必ずしも花弁というわけではなく、花弁か萼、苞のいずれかであるか、あるいはそのうちの2つが花の役割を果たします。 ブーゲンビレアでは苞のなかに納まるシベのような白い小花が本来の花です。ただしこれも正確には花弁ではなく、萼の変化したものです。雄シベや雌シベはこの萼(正しくは萼筒と言います)の、さらに内側から顔を出しています。ブーゲンビレアの苞はほとんど水分を含まず、紙のような質感なので、ペーパーフラワーとも呼ばれます。そのおかげで長期間、色褪せることなく美しい花色を楽しめます。ハワイ諸島のような温暖な土地では周年で咲きます。 ブーゲンビレアはつる性の植物で6m以上に伸びます。写真のように放置しておくと利用した木を包み込むほどになります。葉にはトゲがあるため、家の垣根として使われることもあります。 花の名前は、探検家として知られるフランス人のルイ・A・ブーガンビルがブラジルのリオ・デ・ジャネイロで発見したことに由来します。ハワイに持ち込まれたのは1827年のこと。アレクシス・バシェロ神父がホノルルに到着した際に持ち込みました。このとき神父はハワイへの移住を拒まれました。先着していたプロテスタント派の牧師たちが、カトリックの影響力増大を嫌がったためです。バシェロ神父は4年後にハワイを離れるまでハワイ島で説教を行いました。 ハワイに持ち込まれたブーゲンビレアはイカダカズラ(Bougainvillea glabra)という原種ですが、当初はそれほど注目されませんでした。その後20世紀初頭に、このイカダカズラと近縁の品種を交配して作られた新品種がハワイ諸島各地へ広まり、今日に至ります。 園芸品種が主流となったのには理由があります。ブーゲンビレアはきわめて繁殖力が強く、放置しておくとまたたく間に拡散してしまいます。そのため、種子を作りにくい園芸品種に改良して、繁殖をコントロールしています。 植物知識 ハワイ名:Pukanawila, pua kepalō, pua pepa(Ni‘ihau) 学名:Bougainvillea spectabilis, B.glabra, B. peruviana オシロイバナ科ブーゲンビレア属(イタカズラ属) 英名:Paper flower, Bougainvillea 和名:イカダカズラ、テリハイカダカズラ、ペルーイカダカズラ、ブーゲンビレア 原産地:ブラジル 特徴:つる性の低木(※自立できますがつるの特徴を兼ね備えます。)花のサイズは0.5~0.7cm。苞のサイズは3~5cmです。熱帯と亜熱帯地方に広く分布し、ハワイでは1年を通じて開花します。色の種類は多岐に渡ります。ハワイでは諸島に広く分布し、陽射しが強く、暑く乾燥した土地で育ちます。湿度が高すぎると開花しません。ハワイに導入されたのは1827年のグラブラ種が最初で、オレンジ色と紫色の苞を持ちます。このうち、紫色のものはサンダラナと呼ばれます。1910年に野生品種をかけ合わせた園芸品種が導入され、今日に至ります。八重咲きもあります。ブーゲンビレアはフィリピンなどの国歌であり、カリフォルニア州の州花としても知られます。  ハワイの自然・文化・歴史、ライフスタイルを語る