「ハワイで出合うことのできる鳥」その3回目は、「水辺(淡水)の鳥(1)」です。淡水で見られるものを紹介しましたが、ときに海岸でも見られます。

1)アケケケ

分類:チドリ目シギ科キョウジョウシギ属
学名:Arenaria interpres
ハワイ名:akekeke
英名:Ruddy turnstone
和名:キョウジョシギ
繁殖地:ユーラシア広域、グリーンランド、北アメリカの北極圏

アケケケ
アケケケ
アケケケ
アケケケ

キョウジョウシギはドラマチックな色をしたシギで、脚は短くオレンジ色、背中には変色したあずき色の模様があり、頭、喉、首、胸は黒と白のまだら模様になっています。繁殖は寒帯で行ない、ハワイへの移動は8月に始まり、翌年4月頃まで滞在します。成鳥は幼鳥より先に出発します。その点は先回にお話ししたコアホウドリなどに似ています。英名は、クチバシで石をひっくり返しながら虫を探す習性にちなみます。ハワイ語はネーネー(ハワイガン)やアー(アカアシカツオドリ)のように、鳴き声に由来します。シギ類は一般に脚が長いですが、アケケケは短いのが特徴です。つねに数十羽の群れで過ごします。全長は22~24cmです。

2)アエオ

分類:チドリ目セイタカシギ科セイタカシギ属
学名:Himantopus mexicanus  / H. mexicanus knudseni
ハワイ名:ʻAeʻo, Kukuluaeʻo
英名:Black-necked Stilt、Hawaiian Stilt
和名:クロエリセイタカシギ
繁殖地:北アメリカ、メキシコ
※絶滅危惧種、ハワイ固有種

アエオ
アエオ
アエオ
アエオ

アエオはクロエリセイタカシギの亜種とされていますが、厳密には根づいた外来種という説が優勢です。日本など、セイタカシギの生息する土地ではクロエリセイタカシギと交雑する可能性が高いため、有害種としているところもあります。しかし、ハワイ州では体毛に黒い部分が多いなどの理由で固有(亜)種としています。また、生息数の少なさから絶滅危惧種に指定されています。全長は34~36cm、体重は170g前後です。長い脚が特徴です。オスは背面から翼にかけて黒色ですが、メスは暗褐色です。極めて警戒心の強い鳥で、数十メートルの距離に接近すると警戒音を立てて仲間に注意を促し、その状態でさらに接近しようとすると一斉に飛び立ちます。

3)フナカイ

分類:チドリ目シギ科ハマシギ属
学名:Calidris alba
ハワイ名:Hunakai
英名:Sanderling
和名:ミユビシギ
繁殖地:ユーラシア、北アメリカ北極圏、グリーンランド

フナカイ
フナカイ

冬期はハワイを含む熱帯や温帯に移動します。全長は19~20cm。個体の多くは後指(第一趾)がなく、和名の由来となりました。冬羽は灰白色で翼の縁の部分が黒いのみですが、夏羽では頭部と背中、羽は赤褐色となり、喉から腹にかけて白色となります。雌雄同色です。波打ち際を走りながら貝や甲殻類、昆虫などを食べます。まれに海藻や苔類を食べることもあります。繁殖期は6~7月で、通常は4個の卵を産みます。鳴き声はハワイ名と関係がなく、地鳴きは「チュチュ」あるいは「キッキッ」、さえずりは「キュキュキュ」と鳴きます。

4)ウーリリ

分類:チドリ目シギ科クサシギ属
学名:Tringa incana
ハワイ名:ʻŪlili
英名:Wandering Tattler
和名:メリケンキアシシギ
繁殖地:アラスカ南部、カナダ北部

ウーリリ
ウーリリ

ハワイを含む熱帯で越冬します。8月頃にハワイ諸島に飛来し、4月頃まで滞在します。全長は28cm前後。成鳥の夏羽は体の上面が暗褐色で下面は白色です。胸から尾の端まで灰褐色の斑があります。冬羽は下面の斑がなくなり、淡褐色となります。雌雄同色です。繁殖期は干潟や水田などで見られますが、繁殖期以外は岩礁や磯など海に生息することが多くなります。「ピリリリリ」「トゥリリリ」と鳴くことが、ハワイ名の由来です。

5)マラード

分類:カモ目カモ科マガモ属
学名:Anas platyrhynchos
ハワイ名:なし
英名: Mallard
和名:マガモ
繁殖地:北半球の寒帯から温帯

マラード(マガモ)
マラード(マガモ)

寒帯で繁殖する個体はハワイ諸島などに渡りを行ない。越冬します。全長は50~65 cm。繁殖期のオスは黄色のくちばし、緑色の頭、白い首輪、灰白色と黒褐色の胴体とあざやかな体色をしています。メスはくちばしが橙と黒で、ほぼ全身が黒褐色の地に黄褐色のふちどりがある羽毛に覆われます。非繁殖期のオスはメスとよく似た羽色になりますが、クチバシは黄色のままなので区別は簡単です。幼鳥はクチバシが褐色です。水草の葉や茎、植物の種子、貝などを食べます。水鳥ですが潜ることはできません。水中に首を突っ込むのがせいぜいです。「グエッグエッ」と鳴きます。ハワイではハワイ固有種のハワイガモと交雑するため、有害種として駆除することもあります。

6)スノーグース

分類:カモ目カモ科コクガン属
学名:Chen caerulescens
ハワイ名:なし
英名:Snow Goose
和名:ハクガン
繁殖地:カナダ北東部、グリーンランド西部

スノーグース(ハクガン)
スノーグース(ハクガン)

通常はアラスカを除く合衆国で越冬しますが、ごく一部はハワイ諸島に飛来します。全長は66~84cm。全体が白いですが、風切羽は黒いです。海岸に近い沼地や湾、干潟、湿地帯などに留まります。ハクガンは死ぬまでつがいの相手を変えません。ヒナは卵からかえると24時間以内に自力で泳ぎ、エサを取るようになります。ハワイでは見られませんが、黒っぽい体毛を持つハクガン(アオハクガン)もいます。

水辺の鳥(1)https://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2020/09/aeo_1900-maui.jpghttps://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2020/09/aeo_1900-maui-150x150.jpg近藤純夫特集アエオ,アケケケ,ウーリリ,キョウジョシギ,クロエリセイタカシギ,スノーグース,ハクガン,フナカイ,マガモ,マラード,ミユビシギ,メリケンキアシシギ,水辺の鳥,淡水の鳥「ハワイで出合うことのできる鳥」その3回目は、「水辺(淡水)の鳥(1)」です。淡水で見られるものを紹介しましたが、ときに海岸でも見られます。 1)アケケケ 分類:チドリ目シギ科キョウジョウシギ属 学名:Arenaria interpres ハワイ名:akekeke 英名:Ruddy turnstone 和名:キョウジョシギ 繁殖地:ユーラシア広域、グリーンランド、北アメリカの北極圏 キョウジョウシギはドラマチックな色をしたシギで、脚は短くオレンジ色、背中には変色したあずき色の模様があり、頭、喉、首、胸は黒と白のまだら模様になっています。繁殖は寒帯で行ない、ハワイへの移動は8月に始まり、翌年4月頃まで滞在します。成鳥は幼鳥より先に出発します。その点は先回にお話ししたコアホウドリなどに似ています。英名は、クチバシで石をひっくり返しながら虫を探す習性にちなみます。ハワイ語はネーネー(ハワイガン)やアー(アカアシカツオドリ)のように、鳴き声に由来します。シギ類は一般に脚が長いですが、アケケケは短いのが特徴です。つねに数十羽の群れで過ごします。全長は22~24cmです。 2)アエオ 分類:チドリ目セイタカシギ科セイタカシギ属 学名:Himantopus mexicanus  / H. mexicanus knudseni ハワイ名:ʻAeʻo, Kukuluaeʻo 英名:Black-necked Stilt、Hawaiian Stilt 和名:クロエリセイタカシギ 繁殖地:北アメリカ、メキシコ ※絶滅危惧種、ハワイ固有種 アエオはクロエリセイタカシギの亜種とされていますが、厳密には根づいた外来種という説が優勢です。日本など、セイタカシギの生息する土地ではクロエリセイタカシギと交雑する可能性が高いため、有害種としているところもあります。しかし、ハワイ州では体毛に黒い部分が多いなどの理由で固有(亜)種としています。また、生息数の少なさから絶滅危惧種に指定されています。全長は34~36cm、体重は170g前後です。長い脚が特徴です。オスは背面から翼にかけて黒色ですが、メスは暗褐色です。極めて警戒心の強い鳥で、数十メートルの距離に接近すると警戒音を立てて仲間に注意を促し、その状態でさらに接近しようとすると一斉に飛び立ちます。 3)フナカイ 分類:チドリ目シギ科ハマシギ属 学名:Calidris alba ハワイ名:Hunakai 英名:Sanderling 和名:ミユビシギ 繁殖地:ユーラシア、北アメリカ北極圏、グリーンランド 冬期はハワイを含む熱帯や温帯に移動します。全長は19~20cm。個体の多くは後指(第一趾)がなく、和名の由来となりました。冬羽は灰白色で翼の縁の部分が黒いのみですが、夏羽では頭部と背中、羽は赤褐色となり、喉から腹にかけて白色となります。雌雄同色です。波打ち際を走りながら貝や甲殻類、昆虫などを食べます。まれに海藻や苔類を食べることもあります。繁殖期は6~7月で、通常は4個の卵を産みます。鳴き声はハワイ名と関係がなく、地鳴きは「チュチュ」あるいは「キッキッ」、さえずりは「キュキュキュ」と鳴きます。 4)ウーリリ 分類:チドリ目シギ科クサシギ属 学名:Tringa incana ハワイ名:ʻŪlili 英名:Wandering Tattler 和名:メリケンキアシシギ 繁殖地:アラスカ南部、カナダ北部 ハワイを含む熱帯で越冬します。8月頃にハワイ諸島に飛来し、4月頃まで滞在します。全長は28cm前後。成鳥の夏羽は体の上面が暗褐色で下面は白色です。胸から尾の端まで灰褐色の斑があります。冬羽は下面の斑がなくなり、淡褐色となります。雌雄同色です。繁殖期は干潟や水田などで見られますが、繁殖期以外は岩礁や磯など海に生息することが多くなります。「ピリリリリ」「トゥリリリ」と鳴くことが、ハワイ名の由来です。 5)マラード 分類:カモ目カモ科マガモ属 学名:Anas platyrhynchos ハワイ名:なし 英名: Mallard 和名:マガモ 繁殖地:北半球の寒帯から温帯 寒帯で繁殖する個体はハワイ諸島などに渡りを行ない。越冬します。全長は50~65 cm。繁殖期のオスは黄色のくちばし、緑色の頭、白い首輪、灰白色と黒褐色の胴体とあざやかな体色をしています。メスはくちばしが橙と黒で、ほぼ全身が黒褐色の地に黄褐色のふちどりがある羽毛に覆われます。非繁殖期のオスはメスとよく似た羽色になりますが、クチバシは黄色のままなので区別は簡単です。幼鳥はクチバシが褐色です。水草の葉や茎、植物の種子、貝などを食べます。水鳥ですが潜ることはできません。水中に首を突っ込むのがせいぜいです。「グエッグエッ」と鳴きます。ハワイではハワイ固有種のハワイガモと交雑するため、有害種として駆除することもあります。 6)スノーグース 分類:カモ目カモ科コクガン属 学名:Chen caerulescens ハワイ名:なし 英名:Snow Goose 和名:ハクガン 繁殖地:カナダ北東部、グリーンランド西部 通常はアラスカを除く合衆国で越冬しますが、ごく一部はハワイ諸島に飛来します。全長は66~84cm。全体が白いですが、風切羽は黒いです。海岸に近い沼地や湾、干潟、湿地帯などに留まります。ハクガンは死ぬまでつがいの相手を変えません。ヒナは卵からかえると24時間以内に自力で泳ぎ、エサを取るようになります。ハワイでは見られませんが、黒っぽい体毛を持つハクガン(アオハクガン)もいます。ハワイの自然・文化・歴史、ライフスタイルを語る