ハワイ諸島には都会や森の鳥、海鳥とは別に、淡水のあるところで暮らす水鳥がいます。今回はその後編をお伝えします。

1)アウクウ

分類:ペリカン目サギ科ゴイサギ属
学名:Nycticorax nycticorax

ハワイ名:ʻAukuʻu
英名:Black-crowned Night-Heron
和名:ゴイサギ、ホシゴイ
繁殖地:オーストラリア~フィリピン、ハワイのゴイサギは渡りをしなくなった留鳥

全長58~65cm。翼を広げた長さは105~112cm。額から後頭部にかけて暗青色、目の下から顎、腹部にかけては白色、翼は一部が暗青色、一部は灰色をしていて、オスとメスは同色です。目は赤く、脚(後肢)は黄色い。幼鳥は上面が褐色の羽毛で被われていて、黄褐色の斑点があります。この斑点が星のように見えることからホシゴイという別名があります。繁殖期には後頭に白い羽毛(冠毛)が3本伸びます。 獲物を狙う際に長時間、微動だにしないのが特徴です。英名にあるように夜行性とされますが、実際は日中も餌を採ります。

アウクウ(ゴイサギ)
アウクウ(ゴイサギ)

2)アラエ・ウラ

分類:ツル目クイナ科バン属
学名: Gallinula chloropus sandvichensis
ハワイ名:‘Alae ʻula
英名:Common Moorhen, Hawaiian Gallinule
和名:バン
繁殖地:オセアニア地域を除く世界の熱帯地域に分布。ハワイのバンは留鳥となった亜種でハワイ固有種で絶滅危惧種

全長33~37 cm、翼を広げた長さは50~52 cm。成鳥のからだは黒い羽毛に覆われますが、背中の羽毛は緑色を帯びます。額からクチバシにかけて赤色の額板があり、繁殖期にはクチバシの根元も赤くなります。脚は黄色です。オスとメスは同色です。体の大きさに対して脚のサイズが大きく、ハスの葉などを上手に歩くことができます。脚に水掻きがほとんどないため、アラエ・ケアに較べて泳ぐことが少ない傾向にあります。半神マウイの神話では、火を熾す知識を持つ鳥として知られます。また、アラエ・ウラが鳴くと悪いことが起きるとされます。

アラエ・ウラ(バン)
アラエ・ウラ(バン)

3)アラエ・ケア

分類:ツル目クイナ科オオバン属
学名:Fulica alai
ハワイ名:ʻAlae kea, ʻAlae keʻokeʻo

英名:Hawaiian Coot
和名:オオバン
繁殖地:夏季にヨーロッパ、シベリア、朝鮮半島などで繁殖し、冬季になると東南アジアやアラビア半島、サハラ砂漠などへ南下し越冬する。ハワイでは留鳥

全長32~39cm。を広げた長さは70~80 cm。和名はバンよりも大型であることから。全身を黒い羽毛で被われていますが、尾羽の下に白い羽があります。額とクチバシは白く、アラエ・ウラと好対照です。ただし一部に額とクチバシの先が褐色の個体もあります。目は赤色です。脚の色は季節で変化し、夏は黄緑色か青緑色、冬は淡緑色です。脚には木の葉状の水かきがあり、アラエ・ウラに較べて良く泳ぎます。

アラエ・ケア(オオバン)
アラエ・ケア(オオバン)

4)コロア

分類:カモ目カモ科マガモ属
学名:Anas wyvilliana
ハワイ名:Koloa
英名:Hawaiian duck
和名:ハワイマガモ
繁殖地:ハワイ諸島(ニイハウ、オアフ、モロカイ、マウイ、ハワイ島では絶滅)。マガモの亜種という説もある

全長は44~49cm。翼を広げた長さは、オスは21~23cm、メスは21~22cm。目の色は褐色で、クチバシの上に黒いまだら模様が入ります。脚はオレンジ色です。オスは尾羽の中央部が反り上がり、クチバシは青灰色をしています。繁殖期になると頭部から首にかけて暗緑色となります。胸の羽は紫褐色で暗褐色の斑紋が入ります。それ以外の時期のオスとメスは頭部から胸にかけて赤褐色をしており、暗褐色のまだら模様が入ります。クチバシは、メスは暗褐色で先端が黄色です。たいていは数組のつがいで行動しますが、繁殖期の直後は大きな群れをつくることがあります。

コロア(ハワイマガモ)
コロア(ハワイマガモ)

5)アマサギ

分類:ペリカン目サギ科アマサギ属
学名:Bubulcus ibis
ハワイ名:ʻAlekuʻu kau pipi

英名:Cattle Egret
和名:アマサギ
繁殖地:アフリカ、アジア、ヨーロッパなど、世界の熱帯、温帯に分布。渡り鳥だが、ハワイには20世紀半ばに、害虫駆除の目的で導入

全長は46~56cm。翼を広げた長さは88~96cm。全身を白い羽毛に覆われていますが、額の周辺にオレンジ色の羽毛があります。オスとメスは同色です。ハワイ以外の地域ではオレンジ色は頸、胸、背中に広がります。和名のアマ(飴)サギはこの色に由来します。英名とハワイ名は、アマサギが牛の背中に乗っていることが多いことによります。繁殖期には額のオレンジが広がり、目やクチバシ、脚などが赤くなります。求婚期に鮮やかになります。クチバシは短めで、脚は暗褐色です。ハワイでは水辺だけでなく、牧草地や畑などでも見かけます。

アマサギ
アマサギ
アマサギ
アマサギ

6)カオジロブロンズトキ

分類:ペリカン目トキ科ブロンズトキ属
学名:Plegadis chihi

ハワイ名:なし
英名:White-faced Ibis
和名:カオジロブロンズトキ、メガネトキ
繁殖地:アメリカ西部~南米

全長は46~56cm。体色は繁殖期は赤褐色の身体と暗緑色(玉虫色)の翼となりますが、それ以外の時期、および若い個体は全体が暗緑色です。英名や和名にあるカオジロというのは、顔の周囲に入る白い縁取りを指しますが、繁殖期以外には見られません。体の大きさを除くとブロンズトキと良く似るため、その亜種とする説もあります。干潟など水辺に、他の水鳥とともに暮らします。

カオジロブロンズトキ
カオジロブロンズトキ

7)コーレア

分類:チドリ目チドリ科ムナグロ属
学名:Pluvialis fulva
ハワイ名:Kōlea
英名:Pacific Golden-Plover
和名:ムナグロ
繁殖地:シベリアとアラスカのツンドラ気候帯。ハワイ諸島へは渡り鳥として飛来

全長は23~25 cm、翼を広げた長さは58~62 cm。成鳥になると、夏羽(ハワイで冬羽)は顔から腹部に渡って白く、周囲に白い縁取りが現れます。背中は黄褐色と黒褐色の斑模様となります。その他の季節(ハワイでは夏羽)は、胸から腹部にかけて淡褐色、頭部から尾にかけて黄褐色と黒褐色の斑模様となります。クチバシは黒色、脚は暗灰色です。つがいで暮らします。ハワイの伝統文化では、フラ・コーレアという、コーレアの動きを真似たフラがありました。

コーレア(ムナグロ)
コーレア(ムナグロ)
コーレア(ムナグロ)
コーレア(ムナグロ)
水辺の鳥(2)https://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2020/12/aspecial267.jpghttps://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2020/12/aspecial267-150x150.jpg近藤純夫特集アウクウ,アマサギ,アラエ・ウラ,アラエ・ケア,オオバン,コロア,コーレア,ゴイサギ,ハワイマガモ,バン,ムナグロ,水鳥ハワイ諸島には都会や森の鳥、海鳥とは別に、淡水のあるところで暮らす水鳥がいます。今回はその後編をお伝えします。 1)アウクウ 分類:ペリカン目サギ科ゴイサギ属 学名:Nycticorax nycticorax ハワイ名:ʻAukuʻu 英名:Black-crowned Night-Heron 和名:ゴイサギ、ホシゴイ 繁殖地:オーストラリア~フィリピン、ハワイのゴイサギは渡りをしなくなった留鳥 全長58~65cm。翼を広げた長さは105~112cm。額から後頭部にかけて暗青色、目の下から顎、腹部にかけては白色、翼は一部が暗青色、一部は灰色をしていて、オスとメスは同色です。目は赤く、脚(後肢)は黄色い。幼鳥は上面が褐色の羽毛で被われていて、黄褐色の斑点があります。この斑点が星のように見えることからホシゴイという別名があります。繁殖期には後頭に白い羽毛(冠毛)が3本伸びます。 獲物を狙う際に長時間、微動だにしないのが特徴です。英名にあるように夜行性とされますが、実際は日中も餌を採ります。 2)アラエ・ウラ 分類:ツル目クイナ科バン属 学名: Gallinula chloropus sandvichensis ハワイ名:‘Alae ʻula 英名:Common Moorhen, Hawaiian Gallinule 和名:バン 繁殖地:オセアニア地域を除く世界の熱帯地域に分布。ハワイのバンは留鳥となった亜種でハワイ固有種で絶滅危惧種 全長33~37 cm、翼を広げた長さは50~52 cm。成鳥のからだは黒い羽毛に覆われますが、背中の羽毛は緑色を帯びます。額からクチバシにかけて赤色の額板があり、繁殖期にはクチバシの根元も赤くなります。脚は黄色です。オスとメスは同色です。体の大きさに対して脚のサイズが大きく、ハスの葉などを上手に歩くことができます。脚に水掻きがほとんどないため、アラエ・ケアに較べて泳ぐことが少ない傾向にあります。半神マウイの神話では、火を熾す知識を持つ鳥として知られます。また、アラエ・ウラが鳴くと悪いことが起きるとされます。 3)アラエ・ケア 分類:ツル目クイナ科オオバン属 学名:Fulica alai ハワイ名:ʻAlae kea, ʻAlae keʻokeʻo 英名:Hawaiian Coot 和名:オオバン 繁殖地:夏季にヨーロッパ、シベリア、朝鮮半島などで繁殖し、冬季になると東南アジアやアラビア半島、サハラ砂漠などへ南下し越冬する。ハワイでは留鳥 全長32~39cm。を広げた長さは70~80 cm。和名はバンよりも大型であることから。全身を黒い羽毛で被われていますが、尾羽の下に白い羽があります。額とクチバシは白く、アラエ・ウラと好対照です。ただし一部に額とクチバシの先が褐色の個体もあります。目は赤色です。脚の色は季節で変化し、夏は黄緑色か青緑色、冬は淡緑色です。脚には木の葉状の水かきがあり、アラエ・ウラに較べて良く泳ぎます。 4)コロア 分類:カモ目カモ科マガモ属 学名:Anas wyvilliana ハワイ名:Koloa 英名:Hawaiian duck 和名:ハワイマガモ 繁殖地:ハワイ諸島(ニイハウ、オアフ、モロカイ、マウイ、ハワイ島では絶滅)。マガモの亜種という説もある 全長は44~49cm。翼を広げた長さは、オスは21~23cm、メスは21~22cm。目の色は褐色で、クチバシの上に黒いまだら模様が入ります。脚はオレンジ色です。オスは尾羽の中央部が反り上がり、クチバシは青灰色をしています。繁殖期になると頭部から首にかけて暗緑色となります。胸の羽は紫褐色で暗褐色の斑紋が入ります。それ以外の時期のオスとメスは頭部から胸にかけて赤褐色をしており、暗褐色のまだら模様が入ります。クチバシは、メスは暗褐色で先端が黄色です。たいていは数組のつがいで行動しますが、繁殖期の直後は大きな群れをつくることがあります。 5)アマサギ 分類:ペリカン目サギ科アマサギ属 学名:Bubulcus ibis ハワイ名:ʻAlekuʻu kau pipi 英名:Cattle Egret 和名:アマサギ 繁殖地:アフリカ、アジア、ヨーロッパなど、世界の熱帯、温帯に分布。渡り鳥だが、ハワイには20世紀半ばに、害虫駆除の目的で導入 全長は46~56cm。翼を広げた長さは88~96cm。全身を白い羽毛に覆われていますが、額の周辺にオレンジ色の羽毛があります。オスとメスは同色です。ハワイ以外の地域ではオレンジ色は頸、胸、背中に広がります。和名のアマ(飴)サギはこの色に由来します。英名とハワイ名は、アマサギが牛の背中に乗っていることが多いことによります。繁殖期には額のオレンジが広がり、目やクチバシ、脚などが赤くなります。求婚期に鮮やかになります。クチバシは短めで、脚は暗褐色です。ハワイでは水辺だけでなく、牧草地や畑などでも見かけます。 6)カオジロブロンズトキ 分類:ペリカン目トキ科ブロンズトキ属 学名:Plegadis chihi ハワイ名:なし 英名:White-faced Ibis 和名:カオジロブロンズトキ、メガネトキ 繁殖地:アメリカ西部~南米 全長は46~56cm。体色は繁殖期は赤褐色の身体と暗緑色(玉虫色)の翼となりますが、それ以外の時期、および若い個体は全体が暗緑色です。英名や和名にあるカオジロというのは、顔の周囲に入る白い縁取りを指しますが、繁殖期以外には見られません。体の大きさを除くとブロンズトキと良く似るため、その亜種とする説もあります。干潟など水辺に、他の水鳥とともに暮らします。 7)コーレア 分類:チドリ目チドリ科ムナグロ属 学名:Pluvialis fulva ハワイ名:Kōlea 英名:Pacific Golden-Plover 和名:ムナグロ 繁殖地:シベリアとアラスカのツンドラ気候帯。ハワイ諸島へは渡り鳥として飛来 全長は23~25 cm、翼を広げた長さは58~62 cm。成鳥になると、夏羽(ハワイで冬羽)は顔から腹部に渡って白く、周囲に白い縁取りが現れます。背中は黄褐色と黒褐色の斑模様となります。その他の季節(ハワイでは夏羽)は、胸から腹部にかけて淡褐色、頭部から尾にかけて黄褐色と黒褐色の斑模様となります。クチバシは黒色、脚は暗灰色です。つがいで暮らします。ハワイの伝統文化では、フラ・コーレアという、コーレアの動きを真似たフラがありました。ハワイの自然・文化・歴史、ライフスタイルを語る