ハイビスカスはハワイを代表する花ですが、一般に目にするハイビスカスは園芸品種のハワイアン・ハイビスカスであり、ハワイ州の花の花とは異なります。(以上は花物語(1)と花物語(22)を参照ください。)今回はハワイ諸島固有のハイビスカスについてお話しします。

マオ・ハウ・ヘレ
マオ・ハウ・ヘレ

ハワイ固有のハイビスカスは3つのグループに分かれます。Hibiscus属が10種類、Hibiscadelphus属が6種類、Kokia属が4種類です。

ヒビスクス属

ハワイ州の花である黄色のハイビスカスの正式な名称はマオ・ハウ・ヘレ(H. brackenridgei)です。同属は他に9種類ありますが、性質が異なるため、他のハイビスカスとかけ合わせることはできません。オーストラリアには近縁の、ディバリガトゥス(H. divaricatus)やヘテロフィルス(H. heterophyllus)があるので、渡り鳥の糞などによってこの地から到来したのかもしれません。生長すると10メートルもの高さになります。ワイキキ地区には園芸品種のハワイアン・ハイビスカスがよく見られます。そのうちの黄色の花がハワイ州の花と勘違いされることが多いのですが、写真を見ると違いがわかるはずです。

コキオ・ケオ・ケオ
コキオ・ケオ・ケオ

ヒビスクス属のもうひとつの顔と言えるのがコキオ・ケオ・ケオ(H. arnotianus)です。多くはありませんが、今日でも山野に自生しています。樹高は10メートルに迫り、花に上品な香りがあることと、長い花柱が特徴です。亜種にモロカイ島原産のイマクルトゥス(花柱が白い)、オアフ島原産のプナルウエンシス(最も香りが強い)があります。白いハイビスカス(原産種)はハワイ語でプア・アロアロと呼ばれていました。

イマクルトゥス
イマクルトゥス

カウアイ島原産のワイメアエ(H.waimeae)は、コキオ・ケオ・ケオにそっくりですが、花柱が赤一色で、花弁の縁が丸みを帯びているところが異なります。生長すると10メートルの高さになりますが、たいていはその半分ほどの高さしかありません。亜種にカウアイ島のワイメア渓谷などに生育するヒビスクス・ハネラエ(H.hannerae)があります。

ワイメアエ
ワイメアエ

早朝には白に近いクリーム色をしているのに、日中には黄色となり、夕方にかけてオレンジ色から濃い赤色となって落花するハウ(H.tilaceus)があります。水の多い湿地を好むため、河畔や海岸などに多く見られます。ハウと間違えられやすい仲間に、ヒビスクス・カリフィルス(ヒビスクス・ロッキイイ、H.calyphyllus / H.rockii)があります。淡いクリーム色ですが、ハウほどには色の変化がありません。樹高は3メートルほどです。

ハウ
ハウ
カリフィルス
カリフィルス

ハウの葉を大きくしたような近縁の花にヒビスクス・マクロフィルス(H.macrophyllus)があります。平均的なハウの葉のサイズは8~30cmですが、マクロフィルスは20~60cmにもなります。生長すると25メートルの巨樹となります。

コキオ・ウラ
コキオ・ウラ

ハワイ州の花はマオ・ハウ・ヘレだと言いましたが、最初に認定されたのはコキオ・ウラ(H.kokio)です。しかしあまりにも生息数が少なく、出会う機会が少ないということで、マオ・ハウ・ヘレに変更されました。しかしマオ・ハウ・ヘレもそれほど生息数が多いわけではありません。樹高は7メートルほど。コキオ・ケオ・ケオに勝るとも劣らない芳香が特徴です。

クライイ
クライイ

コキオ・ウラの近縁にクライイ(H.clayi)があります。カウアイ島で発見されたこのハイビスカスは、コキオ・ウラより少し小振りです。コキオ・ウラやクライイはコキオ・ケオ・ケオと簡単にかけ合わせることが可能で、1本の株に白花(コキオ・ケオ・ケオ)と赤花(コキオ・ウラ)を咲かせることもできます。

あまり知られていませんがアキオハラ(ハウ・ヘレ・ワイ、H.furcellatus)は大振りなピンク色の花を付けるのでよく目立ちます。ハワイ諸島だけでなく、フロリダ州を北限とする中南米でも見られます。

アキオハラ
アキオハラ

日本のフヨウにそっくりなワイカーフリ(H.mutabilis)はピンク色の花をつけます。生長すると8メートルほどの高さになりますが、たいていは膝丈ほどの灌木であることが多いようです。19世紀後半に発見されましたが、ハワイ固有種ではなく、人の手によって持ちこまれたものが野生化したという説もあります。

トップページは初代のハワイ州の花だったコキオ・ウラです。次回はハワイ固有のハイビスカス(その2)と題し、ヒビスカデルフスの仲間とコキアの仲間について紹介します。

特集:ハワイ固有のハイビスカス(1)https://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2015/10/top205.jpghttps://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2015/10/top205-150x150.jpg近藤純夫特集ハイビスカス,ハワイ,固有種ハイビスカスはハワイを代表する花ですが、一般に目にするハイビスカスは園芸品種のハワイアン・ハイビスカスであり、ハワイ州の花の花とは異なります。(以上は花物語(1)と花物語(22)を参照ください。)今回はハワイ諸島固有のハイビスカスについてお話しします。 ハワイ固有のハイビスカスは3つのグループに分かれます。Hibiscus属が10種類、Hibiscadelphus属が6種類、Kokia属が4種類です。 ヒビスクス属 ハワイ州の花である黄色のハイビスカスの正式な名称はマオ・ハウ・ヘレ(H. brackenridgei)です。同属は他に9種類ありますが、性質が異なるため、他のハイビスカスとかけ合わせることはできません。オーストラリアには近縁の、ディバリガトゥス(H. divaricatus)やヘテロフィルス(H. heterophyllus)があるので、渡り鳥の糞などによってこの地から到来したのかもしれません。生長すると10メートルもの高さになります。ワイキキ地区には園芸品種のハワイアン・ハイビスカスがよく見られます。そのうちの黄色の花がハワイ州の花と勘違いされることが多いのですが、写真を見ると違いがわかるはずです。 ヒビスクス属のもうひとつの顔と言えるのがコキオ・ケオ・ケオ(H. arnotianus)です。多くはありませんが、今日でも山野に自生しています。樹高は10メートルに迫り、花に上品な香りがあることと、長い花柱が特徴です。亜種にモロカイ島原産のイマクルトゥス(花柱が白い)、オアフ島原産のプナルウエンシス(最も香りが強い)があります。白いハイビスカス(原産種)はハワイ語でプア・アロアロと呼ばれていました。 カウアイ島原産のワイメアエ(H.waimeae)は、コキオ・ケオ・ケオにそっくりですが、花柱が赤一色で、花弁の縁が丸みを帯びているところが異なります。生長すると10メートルの高さになりますが、たいていはその半分ほどの高さしかありません。亜種にカウアイ島のワイメア渓谷などに生育するヒビスクス・ハネラエ(H.hannerae)があります。 早朝には白に近いクリーム色をしているのに、日中には黄色となり、夕方にかけてオレンジ色から濃い赤色となって落花するハウ(H.tilaceus)があります。水の多い湿地を好むため、河畔や海岸などに多く見られます。ハウと間違えられやすい仲間に、ヒビスクス・カリフィルス(ヒビスクス・ロッキイイ、H.calyphyllus / H.rockii)があります。淡いクリーム色ですが、ハウほどには色の変化がありません。樹高は3メートルほどです。 ハウの葉を大きくしたような近縁の花にヒビスクス・マクロフィルス(H.macrophyllus)があります。平均的なハウの葉のサイズは8~30cmですが、マクロフィルスは20~60cmにもなります。生長すると25メートルの巨樹となります。 ハワイ州の花はマオ・ハウ・ヘレだと言いましたが、最初に認定されたのはコキオ・ウラ(H.kokio)です。しかしあまりにも生息数が少なく、出会う機会が少ないということで、マオ・ハウ・ヘレに変更されました。しかしマオ・ハウ・ヘレもそれほど生息数が多いわけではありません。樹高は7メートルほど。コキオ・ケオ・ケオに勝るとも劣らない芳香が特徴です。 コキオ・ウラの近縁にクライイ(H.clayi)があります。カウアイ島で発見されたこのハイビスカスは、コキオ・ウラより少し小振りです。コキオ・ウラやクライイはコキオ・ケオ・ケオと簡単にかけ合わせることが可能で、1本の株に白花(コキオ・ケオ・ケオ)と赤花(コキオ・ウラ)を咲かせることもできます。 あまり知られていませんがアキオハラ(ハウ・ヘレ・ワイ、H.furcellatus)は大振りなピンク色の花を付けるのでよく目立ちます。ハワイ諸島だけでなく、フロリダ州を北限とする中南米でも見られます。 日本のフヨウにそっくりなワイカーフリ(H.mutabilis)はピンク色の花をつけます。生長すると8メートルほどの高さになりますが、たいていは膝丈ほどの灌木であることが多いようです。19世紀後半に発見されましたが、ハワイ固有種ではなく、人の手によって持ちこまれたものが野生化したという説もあります。 トップページは初代のハワイ州の花だったコキオ・ウラです。次回はハワイ固有のハイビスカス(その2)と題し、ヒビスカデルフスの仲間とコキアの仲間について紹介します。ハワイの自然・文化・歴史、ライフスタイルを語る