プルメリアはレイやフラなどの髪飾りとしてハワイの生活に溶けこんでいます。華やかな外見と甘い香りはハワイの花の代表的なイメージと言って良いかもしれません。

しかしヨーロッパやアジアでは寺院の花として用いられました。死者に手向ける花だったのです。英名をテンプル・ツリー(寺院の木)と言うのはそれが理由です。パンチボールの戦没者墓地やカヴァイアハオ教会の墓地にはプルメリアの木が立ち並んでいます。今日のハワイでも結婚式に使うのは好ましくないとされますが、観光客が耳飾りや髪飾りとして用いるほか、日常のちょっとしたお祝いの際に、レイにして贈る光景も増えています。

ホノルルのカヴァイアハオ教会の墓地に咲くプルメリア
ホノルルのカヴァイアハオ教会の墓地に咲くプルメリア

プルメリアは多くの種類が導入されていますが、なかでもルブラ種とオブツサ種が大半を占めます。オブツサ種の葉はルブラ種に比べると、革のような質感で光沢があります。またオブツサ種は常緑ですが、ルブラ種は落葉します。オブツサ種の花はルブラ種よりいくぶん肉厚で、色は白が基調ですが、ルブラ種は赤、濃ピンク、黄、それらの混合など多くの園芸品種が作られた結果、さまざまな色合いがあります。香りはオブツサ種のほうが強いとされますが、株や環境によって異なります。ルブラ種はオブツサ種より耐久性があり、暑さ寒さに強いとされます。

プルメリア・ルブラの葉と莢
プルメリア・ルブラの葉と莢
プルメリア・オブツサの光沢のある葉
プルメリア・オブツサの光沢のある葉

名前の由来は、宣教師であり植物学者でもあったフランスのシャルル・プリュミエにちなんだものです。プルメリアは黒くがっしりとした枝を迷路のように伸ばし、その先端に花をつけます。花を落とすと、この植物が意外にゴツゴツとした感じであることに驚かされると思います。枝は先端まで太く黒く、バリケードのように縦横に枝を広げ、葉は巨大です。また鞘状の実も巨大で、花の可憐さとは好対照です。

ゴツゴツとしたプルメリアの枝
ゴツゴツとしたプルメリアの枝

プルメリアはハイビスカスと並んで多くの園芸品種が作られた結果、さまざまな形や色合い、サイズがあります。もっともよく見られる色合いは、花の中心部のみが少し黄色い、白のプルメリアでしょう。ワイキキの大通りをはじめ、リゾート地の定番ともなっている品種です。

キョウチクトウ科の木はたいてい白い樹液を分泌します。この液のなかにはアルカロイド系の物質が内包されていて、医療に用いられたりしますが、毒性が強いので、肌につけないよう気をつける必要があります。

毒性のある樹液
毒性のある樹液

プルメリアは大変生命力が強く、折った枝から葉を取って切り口部分を数日乾かし、日当たりの良い場所に埋めておくだけで発芽します。ただし、低温には弱いので日本では室内で育てられる例が多いようです。

プルメリア・オブツサとプルメリア・ルブラは和名をインドソケイと言います。ハワイ諸島のどこでもよく見られますが、とくに観光地に多いです。この2種に比べるとそれほど数は多くないですが、プルメリア・プディカやプルメリア・ステノペタラなども見られます。

プルメリア・オブツサ
学名:Plumeria obtusa
ハワイ名:Pua melia
英名:Temple tree, Singapore plumeria
和名:インドソケイ
原産地:キューバ、西インド諸島、ユカタン半島
特徴:低木(4〜8m)、花冠6〜7㎝
備考:外来種
花は白いですが、中央部が黄色の斑がつき、葉先は丸みを帯びます。レイの素材としてよく知られますが、本来は葬儀に用いられる花でした。観賞用として多く見られますが、花卉生産(商品)としても栽培されています。比較的生長が速く、およそ5年で成木となります。

プルメリア・オブツサの花
プルメリア・オブツサの花

プルメリア・プディカ
学名:Plumeria pudica
ハワイ名:Pua melia
英名:Wild plumeria, White frangipani, Bridal bouquet, Fiddle leaf plumeria
和名:なし
原産地:熱帯アメリカ
特徴:低木(2〜3m)、花冠7〜8㎝
備考:外来種
白い花には芳香があるとされますが、香りのないものもあります。花は株の上部にまとまってつきます。葉は逆さ十字のような特徴のある形状をしています。プルメリアの仲間のなかでは低木で、枝は横に張り出さず、縦長に育ちます。

葉の形が特徴的なプルメリア・プディカ
葉の形が特徴的なプルメリア・プディカ

プルメリア・ルブラ
学名:Plumeria rubra
ハワイ名:Pua melia
英名:Temple tree, Frangipani
和名:インドソケイ、ベニバナインドソケイ、フランジパニ
原産地:西インド諸島
特徴:低木(3〜5m)、花冠6〜12㎝
備考:外来種
オブツサ種に比べると花弁が少し細長いのが特徴で、葉先は尖ります。花色は多彩で、濃ピンク、赤、 白、黄など、さまざまな色合いの花をつけます。春から秋にかけて花をつけますが、それ以外の季節でも花が残ることがあります。すべてのキョウチクトウ科の植物に通じることとして、切り口からは刺激性の強い乳液が出るので注意が必要です。

さまざまな色合いがあるプルメリア・ルブラ
さまざまな色合いがあるプルメリア・ルブラ

プルメリア・ステノペタラ
学名:Plumeria × stenopetala
ハワイ名:Pua melia
英名:lumeria
和名:なし
原産地:熱帯アメリカ
特徴:低木(2〜9m)、花冠10〜20㎝
備考:外来種
大きく長い花弁が特徴で、花には強い芳香があります。葉は細いですが30㎝ 前後の長さがあります。生長すると10m ほどに枝を広げます。

細長い花弁が目立つプルメリア・ステノペタラ
細長い花弁が目立つプルメリア・ステノペタラ
プルメリアの生い立ちhttps://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2021/01/818B0073.jpghttps://www.holoholo.world/kawaraban/wp-content/uploads/2021/01/818B0073-150x150.jpg近藤純夫特集インドソケイ,テンプル・ツリー,プルメリア・オブツサ,プルメリア・ステノペタラ,プルメリア・プディカ,プルメリア・ルブラプルメリアはレイやフラなどの髪飾りとしてハワイの生活に溶けこんでいます。華やかな外見と甘い香りはハワイの花の代表的なイメージと言って良いかもしれません。 しかしヨーロッパやアジアでは寺院の花として用いられました。死者に手向ける花だったのです。英名をテンプル・ツリー(寺院の木)と言うのはそれが理由です。パンチボールの戦没者墓地やカヴァイアハオ教会の墓地にはプルメリアの木が立ち並んでいます。今日のハワイでも結婚式に使うのは好ましくないとされますが、観光客が耳飾りや髪飾りとして用いるほか、日常のちょっとしたお祝いの際に、レイにして贈る光景も増えています。 プルメリアは多くの種類が導入されていますが、なかでもルブラ種とオブツサ種が大半を占めます。オブツサ種の葉はルブラ種に比べると、革のような質感で光沢があります。またオブツサ種は常緑ですが、ルブラ種は落葉します。オブツサ種の花はルブラ種よりいくぶん肉厚で、色は白が基調ですが、ルブラ種は赤、濃ピンク、黄、それらの混合など多くの園芸品種が作られた結果、さまざまな色合いがあります。香りはオブツサ種のほうが強いとされますが、株や環境によって異なります。ルブラ種はオブツサ種より耐久性があり、暑さ寒さに強いとされます。 名前の由来は、宣教師であり植物学者でもあったフランスのシャルル・プリュミエにちなんだものです。プルメリアは黒くがっしりとした枝を迷路のように伸ばし、その先端に花をつけます。花を落とすと、この植物が意外にゴツゴツとした感じであることに驚かされると思います。枝は先端まで太く黒く、バリケードのように縦横に枝を広げ、葉は巨大です。また鞘状の実も巨大で、花の可憐さとは好対照です。 プルメリアはハイビスカスと並んで多くの園芸品種が作られた結果、さまざまな形や色合い、サイズがあります。もっともよく見られる色合いは、花の中心部のみが少し黄色い、白のプルメリアでしょう。ワイキキの大通りをはじめ、リゾート地の定番ともなっている品種です。 キョウチクトウ科の木はたいてい白い樹液を分泌します。この液のなかにはアルカロイド系の物質が内包されていて、医療に用いられたりしますが、毒性が強いので、肌につけないよう気をつける必要があります。 プルメリアは大変生命力が強く、折った枝から葉を取って切り口部分を数日乾かし、日当たりの良い場所に埋めておくだけで発芽します。ただし、低温には弱いので日本では室内で育てられる例が多いようです。 プルメリア・オブツサとプルメリア・ルブラは和名をインドソケイと言います。ハワイ諸島のどこでもよく見られますが、とくに観光地に多いです。この2種に比べるとそれほど数は多くないですが、プルメリア・プディカやプルメリア・ステノペタラなども見られます。 プルメリア・オブツサ 学名:Plumeria obtusa ハワイ名:Pua melia 英名:Temple tree, Singapore plumeria 和名:インドソケイ 原産地:キューバ、西インド諸島、ユカタン半島 特徴:低木(4〜8m)、花冠6〜7㎝ 備考:外来種 花は白いですが、中央部が黄色の斑がつき、葉先は丸みを帯びます。レイの素材としてよく知られますが、本来は葬儀に用いられる花でした。観賞用として多く見られますが、花卉生産(商品)としても栽培されています。比較的生長が速く、およそ5年で成木となります。 プルメリア・プディカ 学名:Plumeria pudica ハワイ名:Pua melia 英名:Wild plumeria, White frangipani, Bridal bouquet, Fiddle leaf plumeria 和名:なし 原産地:熱帯アメリカ 特徴:低木(2〜3m)、花冠7〜8㎝ 備考:外来種 白い花には芳香があるとされますが、香りのないものもあります。花は株の上部にまとまってつきます。葉は逆さ十字のような特徴のある形状をしています。プルメリアの仲間のなかでは低木で、枝は横に張り出さず、縦長に育ちます。 プルメリア・ルブラ 学名:Plumeria rubra ハワイ名:Pua melia 英名:Temple tree, Frangipani 和名:インドソケイ、ベニバナインドソケイ、フランジパニ 原産地:西インド諸島 特徴:低木(3〜5m)、花冠6〜12㎝ 備考:外来種 オブツサ種に比べると花弁が少し細長いのが特徴で、葉先は尖ります。花色は多彩で、濃ピンク、赤、 白、黄など、さまざまな色合いの花をつけます。春から秋にかけて花をつけますが、それ以外の季節でも花が残ることがあります。すべてのキョウチクトウ科の植物に通じることとして、切り口からは刺激性の強い乳液が出るので注意が必要です。 プルメリア・ステノペタラ 学名:Plumeria × stenopetala ハワイ名:Pua melia 英名:lumeria 和名:なし 原産地:熱帯アメリカ 特徴:低木(2〜9m)、花冠10〜20㎝ 備考:外来種 大きく長い花弁が特徴で、花には強い芳香があります。葉は細いですが30㎝ 前後の長さがあります。生長すると10m ほどに枝を広げます。ハワイの自然・文化・歴史、ライフスタイルを語る